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■経営アカデミー 経営者講演録 (生産性新聞 記事より)

木川眞氏
木川 眞 氏 ヤマトホールディングス 代表取締役社長
(1973年 富士銀行 入行。05年 ヤマト運輸 常務取締役、07年 ヤマト運輸
代表取締役社長、11年からヤマトホールディングス 代表取締役社長 兼
ヤマト運輸 取締役会長)

「復興支援で確認できた財産」

 宅急便の集荷・配達を行う直営の営業拠点は全国に約4000ある。一方、郵便局の集配局はいまでは約2800と言われている。このことは、宅急便のサービスがかつての郵便局以上に地域になくてはならないインフラになったことを意味している。「我々は社会インフラとなったのだから、サービスを社会に提供していく軸足に、社会貢献や社会インフラであるがゆえの社会的責任を意識せざるをえない企業になった」ということを社内に徹底している。
 もっと成長力のある企業に生まれ変わるために、ヤマトグループでは、「アジアナンバーワンの流通・生活支援ソリューションプロバイダー」を目指し、2019年までにお客様、社会、社員、株主の四つのステークホルダーの満足度の総和をダントツにする経営計画を打ち出している。
 事業戦略としては二つの方向性を持っている。一つは、グローバルなサービス展開だ。宅急便事業は台湾を除き、基本的に国内だけで行ってきたが、2010年からシンガポールと上海を皮切りに香港やマレーシアでも展開しており、これをさらに広げていきたい。現地の企業や個人を主な対象とし、地元に根ざした純粋役務のサービス業の海外展開を考えている。
 来年秋には、海外と日本国内との結節点として、日本最大級のターミナル施設「羽田クロノゲート」が稼動する。現在整備している国内と海外のネットワークを統合させれば、日本からアジアでも翌日配達が可能な国際宅急便サービスができるようになる。
 もう一つは、地域密着型の生活支援サービスの展開だ。宅急便は全国均一のサービスだが、これを地域・個人の事情に合わせてカスタマイズしたサービスにしていきたい。
 また、高齢化や過疎化が進んでいる地域では、福祉の領域を中心とした行政サービスの維持が社会問題になりつつあるが、これを新しい事業領域に取り込めないかと考えている。高齢者の見守り、在宅医療、買い物困難地域等の課題に対し、どのような支援ができるのか。これらは主に行政が担ってきた公共サービスだが、財政の問題もあり、このままではほとんど破綻状態になる。放置したら行政サービス自体が切り捨てられかねない。
 公共サービスに大企業1社が参入すると、様々な摩擦が起こるし、地元の中小企業が淘汰されたら地域経済の活性化にはならない。したがって我々は、宅急便のドライバーや、導入しているITシステム、ロジスティクスの仕組みなどの既存の「プラットホーム」を地域に提供し、そこに行政や住民、生産者、NPO、同業者が参加するという考え方をとっている。これなら極めて低コストで質の高いサービスを提供できる。ボランティアでは長続きしない。事業としてどう成立させるかを真剣に考えなければならない。
 東日本大震災では、救援物資がなかなか被災者に届かない状況を見かねた何人もの現地の社員がそれぞれの町役場に行き、「ともかく無償で手伝わせてほしい」と申し出て救援活動を行っているということが震災の数日後にわかった。これを会社全体の活動として追認しようと、車両を200台、ロジスティクスの専門家を中心とした人員約500人を投入して「救援物質輸送協力隊」を結成した。
 また、宅急便1個につき10円を寄付する活動を1年間行い、総額は年間純利益の約4割にあたる142億3600万円に達した。地域の早期復興に役立てるために、水産業・農業・生活基盤支援に指定して寄付を行った。これらの活動を通じて、社員のモチベーションがずいぶん上がった。何よりうれしかったのは、我々が社員に期待して言い続けてきたことを社員が率先してやってくれたこと、支援活動を通じて、我々がまさに社会インフラになっていたことを確認できたことだ。
 わが社には「ヤマトは我なり」言い換えると「全員経営」、「運送行為は委託者の意思の延長と知るべし」これを言い換えると「サービスが先、利益は後」、「思想を堅実に礼節を重んずべし」これはコンプライアンス、言い換えると「世のため人のため」という社訓があるが、震災時に社員が率先して社訓を形に表してくれた。そして、会社として行った寄付金について、社員や家族が本気で喜んでくれた。このことは有形無形に将来に残る財産だと確信している。
(10月24日に行われた「トップマネジメント・コース」の講義要旨) 



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