海外調査報告
「中国IT企業・ソフトウェアパーク調査団報告 2」
● 訪問都市:
瀋陽市、遼陽市、大連市
訪問企業等:
遼陽市 遼陽河東新城プロジェクト
弓長嶺区内企業訪問(ガラス工場)
遼陽市「東軟集団有限公司 Neusoft」
瀋陽市人民政府内
瀋陽日本中小企業パーク
蘇寧電器有限公司 SUNING
大連ソフトウェアパーク管理委員会
NEC大連
WISTRON北京(大連支社)
エンジンBPO大連
● 期 間:
2009年11月15日(日)~2009年11月19日(木)
● 各訪問先の記録:
1.河東新城プロジェクト 11月15日(日) 午後
対応者:遼陽市河東新城管理委員会招商局長 呉 鐵軍 氏
遼陽市対外貿易経済合作局副局長 牛 永請 氏 など
遼寧省遼東半島の中部に位置する遼陽市を流れる太子河の東岸に位置し、計画面積80平方km。投資総額は3000億元~4000億元、10年後に完成予定、居住人口は60万人の見込み。瀋大高速道路、哈大高速鉄道、遼溪鉄道、本遼高速道路に囲まれ、多数の地域とスムーズな接点を持つ。これらの交通インフラは、河東新城と瀋陽市、鞍山市などとの距離を大幅に短縮する。また、週末のレジャー施設、リゾート施設、観光施設も建設する予定とのこと。
河東新城管理委員会にて説明を聞く団員
管理委員会では全体の完成模型を見ながらの説明を受けた後、開発地区を案内していただいたが、何しろ大きい。計画面積が80平方kmとは、東京23区で一番大きい大田区の面積が60平方km、日本で一番小さい市の埼玉県蕨市が5平方km、大きさが想像できる。
大河を挟んで西岸が旧市街地、東岸に自然の景観を生かした緑豊かな大型都市が開発される予定。工業団地だけではなく、ショッピングセンター、高級住宅地、河の中洲にはゴルフ場・・・。日本からの進出や投資を待っている。
日本語で書かれた分厚い投資案内のパンフレットも作成しており、また、第2期としてITインダストリアルエリアも計画しているとのことであった。
2.東軟集団有限公司 Neusoft 11月16日(月) 午後
対応者:海外業務推進事業部 馬 超 氏
省都瀋陽市の郊外にある近代的な大きな建物が本社ビル。創業者の一人である劉積仁博士が、同社董事長(CEO)であると同時に、東北大学副学長を兼務するように、役員の多くは現役の教授。産学連携というよりも産学一体という方が正確。
NEUSOFT本社の会議室で意見交換を行なう
93年には日本のアルパインと合弁企業「東大アルパイン」を設立。96年に同社は日系企業として初めて中国市場(上海)で上場した。その後東芝、IBM、オラクル、ノキアなどの世界の有力企業との合弁を重ね、東軟集団有限公司はそれらの持ち株会社としてグループを統括。全グループで従業員数13,000名、中国国内の大規模ソフトウェアセンターに開発拠点を6箇所、私たちが訪問した大連ソフトウェアセンターには、開発拠点の他に大学をも設立している。
NEUSOFT本社のロビーにて
大連、南海、成都、瀋陽に大学を設置し、学生数は全体で25,000人。そのうち、トップ20㌫を自社に採用している。日本からの訪問者が多いらしく、説明と意見交換は全て日本語で行われた。日本での拠点として、東京有明にNeusoft Japanが設立されている。
3.瀋陽経済技術開発区・日本中小企業パーク 11月17日(火) 午前
対応者:瀋陽経済技術開発区管理委員会副主任 牛 樹森 氏
瀋陽経済技術開発区招商局局長 劉 慶文 氏 など
経済技術開発区の訪問に先立って、瀋陽市人民政府を訪問。開発区建設の目的や企業招聘などでの瀋陽市政府の取り組みについて王対外貿易経済合作局から説明をいただいた。私たち調査団への説明や質問には、大変流暢な日本語で行われ、日本企業の進出を熱望するとのことであった。
瀋陽経済技術開発区は、1988年国家級の開発区として建設され、総面積が444 K㎡、40カ国を超える国が進出、企業数は2000社。1991年国家級ハイテク産業開発区となり、2005年に新区の都市化面積32K㎡、常住人口35万人。
瀋陽市庁で対外貿易経済合作局 王局長に挨拶
日本中小企業パークは、瀋陽市経済技術開発区管理委員会と日本の西北貿易㈱が、中国政府の東北振興政策の実現を目指しつつ、その具現化に必要とされている日本の中小企業にとってより良い事業環境を作り出すために協力しあうことで合意し共同で設立した。支援センターも設置し、経理、財務、通訳などの支援を行なっている。
現在、進出している日系企業は28社。
・日本企業のみ対象。
・国家級開発区として税制上の優遇措置を提供。
・最高レベルの整備されたインフラを提供。
・支援センターを設置する。
場所:瀋陽市陽市経済技術開発区内
面積:20万平方メートル〔第一期〕内 5000㎡は支援センターが使用する。原則的に土地の賃貸はせず建物を賃貸とする。
4.蘇寧電器有限公司 SUNING 11月17日(火) 午後
対応者:副総経理 陶 洋 氏など
中国家電チェーン店の最大手の一つ。1990年に南京市で創設、現在の本社も南京市。中国国内30省、300以上の都市に900店舗を持っている。2009年に中国国内70都市に進出、少なくとも200店舗を新規開設する。北京、瀋陽、成都、徐州、南京の5カ所に大型の物流センターを新設予定。従業員12万人、年間売上は1,000億元を越える。2004年、深圳市場に上場。本年6月、ラオックスの株3割弱を取得、筆頭株主となる。情報化に積極的に取り組み、独自の物流ネットワーク、アフターサービスネットワークなどを構築している。2010年末には、中国国内に1200店舗、1,500億元の売上げを達成し、中国国内トップ企業となることを目標としている。
会談終了後全員で記念写真
また、「サービスは蘇寧電器の最大の商品」との考え方が全社に浸透しているとのこと。また、「社会への還元」という考えから全従業員が毎年一日分の給料を社会貢献のために寄付すること、全従業員が毎年1日、社会貢献活動に参加することを呼びかけている。
また、「本年末にヤマダ電機が瀋陽市に日本の家電量販店としては初めて出店するとのことだが、迎え撃つ蘇寧電器のお考えは?」との質問に対し、「歓迎する。進出のメリットは大である。競争することで進歩する。」と即答された。経営幹部の皆さんは若く、30代前半から40代前半。凄い企業である。
5.大連ソフトウェアパーク 11月18日(水) 午前
対応者:大連市人民政府外事(橋務)辯公室 景 侍博 氏
業務解決方策中心部長 趙 海涛 氏など
大連ソフトウェアパークは中国に11か所ある「国家ソフトウェア産業基地」の1つで、また「ソフトウェア輸出基地」の1つでもある。大連市の西郊外に、1998年に創設されたIT関係を中心にした工業区。日本・欧米・中国のIT関係の会社が多く集積する場所。特に日本から受注したITO業務やBPO業務が多いのが特徴である。大連市へは日本からの定期便も運航され、また、飛行場から車で15分という便利な場所に立地している。大連工科大学、大連外国語大学など理工系大学や日本語を学ぶ大学があり、人材確保も容易である。「北京外国語大学はロシア語」、「上海外国語大学は英語」そして「大連外国語大学は日本語」を学ぶ大学として中国国内では知られている大学とのこと。
ソフトウェアパーク全体模型の前で説明を聞く団員
現在、大連ソフトウェアパークに進出している企業数は約400社で、入居率は85パーセントとのこと。日本企業では、NEC、日立、富士通、東芝などが進出している。
管理委員会でパーク全体の説明を受けた後、パーク内を見学、以下の3社を訪問した。各社から説明を受けた後、活発な意見交換を行った。
各社に共通していたのは、「コスト削減を目的としたオフショア開発の拠点としての大連は、大変厳しい環境にある。」との認識であった。
6.大連ソフトウェアパーク内の企業訪問 11月18日(水) 午後
訪問先と対応者
・NEC大連:総経理 堀内 渡 氏
・WISTRON北京(大連支社):副総経理 Yao Deng 氏
生産力推進部長 Galen Gong 氏
開発一部長 Jian Lin 氏
・英晋(大連)商務諮詢有限公司:薫事長 山下 伸一郎 氏
副総経理 李 楠 氏
(文責:調査団事務局 藤村 茂樹)