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■キャリアコラム:今改めて大学の就職力を問う=第4回最終回= (2011/02/01)
    就職力支援、その質向上と連携のあり方
 大学の就職力を考える際、大きく二つの視点がある。一つは、出口支援としての「就職支援」である。これはキャリアセンターや就職課が役割を担う。もう一つは、社会に貢献できる人材の育成である。これは主に大学のイベント活動や授業(一般教育、専門教育)が役割を担う。大学の就職力とは単に学生を企業に就職させることではない。学生を即戦力とまではいかなくても、挑戦意欲や成長意欲に満ちた「人材」を社会に送り出すことである。
 そのために必要なことは三つある。一つ目は、「就職支援」の質の向上、二つ目は「人材育成」の質の向上、三つ目は「就職支援(職員)」と「人材育成(教員)」との連携である。これらのことを遂行するためのキーパーソンとして存在するのが、キャリア支援の専門家である「キャリア・コンサルタント」である。キャリア・コンサルタントの能力要件としては、まずは企業経験や企業情報に詳しいことがあげられる。さらに、職員と教員との調整役ができること、支援にあたっては対面のカウンセリングだけではなく、ワークショップ(参加体験型グループ学習)のプログラム企画から運営(講師)ができることがあげられる。

1.就職支援の質の向上を図る
 就職支援の担当セクション(キャリアセンター、就職課など)は大学内外に対して、「開かれた存在」になるということである。1年次から学生が気軽に立ち寄れたり、外部の企業人と交流できたりするような「場づくり」を行う。さらに学生に対して、カウンセリング(個別面談)やワークショップ(参加体験型グループ学習)の機会を設けて、就職スキルの向上や就活への動機づけを図る。キャリア・コンサルタントは、これらの場づくりやカウンセリング、ワークショップを行う。また職員に対して、キャリア支援についての指導を行うことも考えられる。

2.人材育成の質の向上を図る
 通常の授業科目であれば、その内容を社会や企業の活動と関連づけるようにする。また「社会人基礎力」(踏み出す力、考え抜く力、チームで働く力)のような社会で求められる「汎用的・基礎的能力」を習得できるように、グループワークを取り入れる等、授業の内容や方法を工夫する。そのためにも教員自身が社会や企業の動向について積極的に情報収集する。場合によってはキャリア・コンサルタントをゲスト講師として招くことも考えられる。

3.就職支援(職員)と人材育成(教員)との連携
 就職支援と人材育成が一体となった学生支援が理想である。そのためには、まずはお互いが何をしているかという情報の共有化が必要である。そこから、お互いが一緒にやれることを探し、できることからやっていくようにする。キャリア・コンサルタントは、教員と職員の間にはいって調整したり、情報の共有化を図ったり、授業内容を情報収集・整理したりする。さらに前述したとおり、教員の求めに応じて、授業内容についてアドバイスしたりする。

(日本生産性本部就職力センター主任講師・大山雅嗣)


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