公益財団法人日本生産性本部 トップページ 研修・セミナー コンサルティング 調査研究 書籍・手帳
TOP > コラム

コラム


■経営改革関連コラム
  コンサルティングの現場から(第2回) 学校のブランド形成要因(2011/03/22)
 学校を選ぶうえで、受験生や保護者は何らかのブランドイメージを抱く。では、なぜそのブランドイメージを抱くようになったのだろうか?そのブランドイメージは果たして、どこからやってくるのだろうか?
 ここで、学校経営と同様に、「立地型」産業の代表格といえる小売業のブランド形成要素を考えてみたい。利用者サイドからすれば、店舗のブランドイメージ、雰囲気などを何から感じるのか、ということを考えてみる。
 ヒトはよく「見聞きする」という表現を使う。そこで、今回はストアオペレーション(http://consul.jpc-net.jp/mc/consulting/store_operation.html)の改善支援の取り組み方を参考に、小売業の店舗イメージの形成要因を「聴覚」と「視覚」で捉えてみたい。

■見聞きすることによるブランドイメージの形成要因:小売業の場合
<聴覚>〜耳から入る情報〜
  • 家族・知人からのサービスレベルの口コミ(品揃えやお得感の実績、接客の良し悪し、営業日時)
  • 店員の言葉(顧客への応対用語、発言内容)
  • 来店者同士の会話、BGM

<視覚>〜目から入る情報〜
  • 広告のチラシ(折り込みチラシ、ダイレクトメール)
  • ホームページ(会社のWEBサイト)
  • 店舗の外観、店頭の飾り(入口付近のディスプレイ、メニュー、照明)
  • 店舗の内観(壁、床、天井、照明、陳列什器、椅子・机、トイレ、陳列商品、陳列の状況、POP・ポスター、清掃状況)
  • 店員の対応(表情、業務姿勢、店員同士の会話、店員の服装)
  • 来店者の容姿・振る舞い(客層)
上記の小売業の要素を学校にあてはめてみると次のようになる。

■見聞きすることによるブランドイメージの形成要因:学校の場合
<聴覚>〜耳から入る情報〜
  • 家族・知人からのサービスレベルの口コミ(教育メニュー、卒業生進路・ストパフォーマンス等の実績評価、対応の良し悪し、開校日時)
  • 教職員の言葉(受験者・入学者・父兄への応対用語、発言内容)
  • 在校生の会話、学校見学者の親子の会話、校内のBGM

<視覚>〜目から入る情報〜
  • 学校案内のパンフレット(学校案のチラシやハガキ)
  • ホームページ(学校のWEBサイト)
  • 学校の外観、正門・通用門・校舎入口の景観(入口付近の清潔さ)
  • 学校の内観(壁、床、天井、照明、備品・椅子・机、トイレ、図書室、整理・整頓の状況、掲示物・ポスター、清掃状況)
  • 学校関係者(教職員)の対応(表情、業務姿勢、教職員同士の会話、教職員の服装)
  • 来校者(在校生、学校見学者の親子)の容姿・振る舞い(学生層)

 以上のように、小売業のブランドイメージの形成要因も、学校のそれらとの間に差はない。上記に列挙した要因のなかから、自社のブランドイメージ向上に役立てる勘所を5つに絞ると次のようになる。

  • 顧客の口コミ(例:世間での評価、評判、噂)は、ブランドイメージ向上にどう作用しているのか?
  • スタッフ(=教職員)の応対(例:言動、説明・プレゼン能力、挨拶・ホスピタリティ・迅速性・きめ細かさ、)は、ブランドイメージ向上にどう作用しているのか?
  • 来店者(=来校者)の容姿・振る舞い・会話), は、ブランドイメージ向上にどう作用しているのか?
  • 施設(ハード)の外観・内観(例;整理整頓、清掃、清潔感、掲示物)は、ブランドイメージ向上にどう作用しているのか?
  • プロモーション(ホームページの魅力。パンフ・チラシ・DMなどの紙媒体の見やすさ)は、ブランドイメージ向上にどう作用しているのか?

 この1〜5で、留意すべきポイントは次の点である。
  • 1〜5の確立、市場認知においては、中長期視点による継続的取り組み(一貫性)が必要になる(Company)
  • 1〜5のマネジメントにおいては、同業他社に対して差別化すべき(差別化したい)プライオリティが明確でなければならない(Competitor)
  • そのためには、狙うべき顧客ターゲット層が明確でなければならない(Customer)

 A〜C の不鮮明さは、ブランドイメージの不明確さに作用する。

 それでは、ブランドがあきられ、ブランドイメージが低下したり、忘れ去られたりするプロセスとはいかなるものか。次回はそれを考えてみたい。

公益財団法人 日本生産性本部
学校支援コンサルタント 小倉 高宏


▲ページTOP