二十一世紀がここに始まる。次の世紀に至るこれからの百年が、世界的に平和で全ての人が豊かに暮らせるよう
強く希求するものである。
翻ってみれば二十世紀は全体主義と自由主義との厳しい対立が生じ、二度にわたる世界大戦を経験した苦しい世
紀であった。また、技術革新が相次ぎ経済が飛躍的に発展した世紀でもあった。わが国もこの波に飲み込まれ翻
弄されながら、欧米にキャッチアップすることを夢みて、これを国民の総力をあげて実現し、結果として経済規
模で世界の第二位に達することができた百年であった。
この間、戦後復興の救世主として導入された生産性運動は、産業界労・使、学識者の三者の参加と協力をえて産
業民主主義の展開、近代的経営の導入によってわが国産業界の発展に多大な貢献を果たした。この間生産性の伸
びは目覚しく、世界の奇跡とすらいわれた。
しかしながら、二十一世紀を迎えてわが国は解決困難な多くの課題をかかえている。それは資源エネルギーの枯
渇、地球環境の悪化、少子高齢化、増加の一途をたどる財政赤字、青少年を中心とする心の荒廃への対応である。
なかでも深刻なのはフロントランナーとしての経済運営が求められているのにもかかわらず、いっこうに対応で
きない政、官、財のシステム劣化である。
これらの困難な課題の解決には、改革にむけての国民合意と何よりも国民一人ひとりの信念の確立が強く求めら
れる。われわれはこれに成功すれば新たな繁栄を約束され、失敗すれば二度と立ち上がれない衰退の道を歩むこ
とになろう。
ここで新しい世紀にふさわしい、新しい国民運動が展開されねばならない。それは惰性と既得権の確保にのみ心
を奪われ改革が進まない現状を打破し、新しい日本を創り上げる運動である。それが新生産性運動である。
新生産性運動は産業界労使、学識経験者を含め、消費者代表、NPO代表など国民各界各層の一層の参加のもと
に、国民的合意形成による社会経済諸システムの抜本的改革を進めることにより生産性を向上させ、あらゆる分
野における高次元の経営を達成する運動である。それはまたグローバル化した市場主義に適応しつつ、新しい次
元での繁栄と福祉を達成しようとする人間尊重の精神の発揮であり、日本型モデルの確立を図ることである。
生産性の向上は現状がいかに困難な状況にあろうとも、これを変革しようとする強い人間意志の現われであり、
この意味においてあらゆる変革は生産性運動の発露である。新しい世紀を迎え以上宣言する。
|