戦後における内外諸情勢の激変に対処し,わが国経済の堅実なる発展を図るには何ものにも増して生産性の向上がその基本的要務であることは贅言を要しない。そもそも,生産性の向上とは,資源,人力,設備を有効かつ科学的に活用して生産コストを引き下げ,もって市場の拡大,雇用の増大,実質賃金ならぴに生活水準の向上を図り,労使および一般消費者の共同の利益を増進することを目的とするものである。西欧においては早くからその重要性が認識され,特に1948年以来,各国はこぞって大規模な生産性向上運動を展開し,今日,すでに輝かしい成果を勝ち得ていることは周知の事実である。
   いま戦後十年目を迎えて,わが国経済の現状を反省し,将来を想うとき,われわれはいまこそ生産性の向上に全力を傾注すべきを痛感する。しかしながら,生産性の向上は,生産を担当する経営者,労働者はもとより,広く全国民が深い理解をもって,これに協力することなくしては,到底十分の効果を期待することはできない。われわれがここに経営者,労働者および学識経験者を一体とする財団法人日本生産性本部を設立せんとする所以は,これをわが国における公正な生産性向上運動の中核体たらしめ,日本経済発展の礎たらしめんことを念願するからに外ならない。
   すでに政府においても,われわれの計画に大なる期待をよせ,援助の方針を決定しており,また,米国政府も強い関心を示し,必要な支援と便宜を提供せんとしていることは,われわれの大いに意を強くするところである。しかしながら,生産性向上の鍵は,かかってわれわれ自身の努力と工夫如何にある。われわれは,日本経済の担い手としての責任を強く自覚し,生産性向上のために最善の努力を尽さんとするものである。
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