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■生産性運動20周年宣言 ―新しい成長を求めて―
      (昭和50年3月1日 財団法人 日本生産性本部)

生産性運動20周年宣言
―新しい成長を求めて―

昭和50年3月1日
財団法人 日本生産性本部

   生産性運動は,戦後の経済を荒廃から立ちなおらせ,こんにちの発展に導いた国際的運動である。日本の生産性運動は,西欧諸国に遅れること数年で発足したが,その成果は,つとに世界的評価を得ている。
   生産性運動は,当初,目標を国民経済の自立と生活水準の向上においた。このことは,とくに,平和に徹して国を興そうと決意したわが国では,すべての国民が,それぞれの立場を超えて共鳴するところであった。技術革新と重化学工業化を軸とする産業の近代化が,国民的合意のもとに強力,果敢に推進された。結果は,奇跡とたたえられた高度成長の連続となり,運動開始の時には想像さえもできなかった巨大な経済が実現した。自立経済は達成され,国民の生活水準は向上した。
   しかしながら,わが国の高度成長は,重化学工業中心の生産拡大を急ぐあまり,社会的,公共的投資や産業公害の防除対策がこれにともなわず,環境の深刻な悪化を招いた。また国際的には,基軸通貨ドルの後退とともに通貨不安が激化し,さらに石油の価格革命と資源ナショナリズムの台頭がこれに加わって,既成の国際経済秩序は大きな動揺と混乱におちいった。
   現代経済はまさに重大な転機に逢着している。有限な地球は,環境と資源の両面から経済活動に厳しい制約を課する。日本経済は,高度成長から安定成長への転換を標識とせざるをえず,量的拡大主義から質的充実主義への移行は必至の道程となっている。
   われわれは,この機会に,あらためて生産性の理念と運動の方向を考究し,次の如き考え方を確認した。
   経済活動は,人間社会の福祉の増進を目標とし,価値の生産とその公正な分配とを社会的任務とする。生産性は,経済活動の任務達成の度合いを示す中核的理念である。
   生産性運動は,本来,経済活動にかかわる運動であり,運動展開の基本原則は不変である。しかしながら内外にわたる経済条件の変化は,運動に方向の転換と新たな課題への取組みを要求する。これに応える道は,単なる量的生産性の増大から,自由と公正に基づく質的生産性向上へと基本的にその視点を転ずることにある。
   かくてわれわれは,生産性運動20年の歴史を背景に,来るべき70年代後半の情勢を展望して,運動の課題を次の如く定め,これが達成を期するものである。

1.自由主義体制を基調とし社会経済の新段階に照応する企業観の確立と普及に努力する。
2.わが国の土壌に即した参加制度を推進し合意による労使関係近代化の一層の前進をはかる。
3.企業のコスト低減と産業の合理的編成による資源有効利用の推進に寄与する。
4.産業構造高度化の基礎をなす革新技術開発のシステム化を促進する。
5.生産成果の公正な分配と所得の公平な再配分による福祉の増進に努力する。
6.国際競争力の培養に努めるとともに国際経済の新秩序形成への参加を推進する。



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