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■生産性運動とは

「生産性問題は人類の誕生とともに始まり、歴史の変化とともにその性格、内容を変化させながらも、現在なお今日的な課題として生き生きと脈打っています。それほど生産性は古く、かつ常に新しい現代的な課題といえます。」

■生産性運動の起こり

 第二次大戦後、アメリカは戦災で打ちひしがれた西欧諸国の経済再建のため巨額の経済援助「ヨーロッパ復興援助計画」(マーシャル・プラン、1948年から52年)を実施しました。その援助の一環としてイギリスにおいて、経済再建には「アメリカ産業の生産性の高い秘密を解明し、イギリス産業に応用することが近道である」との結論で、この仕事を行なう機関として民間に生産性センターが設立されました。この活動の成果があがって、イギリス経済の再建が軌道にのるにつれて、西欧各国にイギリスをモデルとした生産性センター設立の機運が高まりました。更に、この機運に拍車をかけたのがアメリカの援助です。アメリカは巨額なマーシャル・プランを打ち切り、援助を少額でしかも効率的な生産性運動に切り換えたのです。これにより西欧諸国に生産性センターが次々と設置されました。また、これら西欧諸国の生産性センターの情報交換、技術交流の計画実施本部として1951年にヨーロッパ生産性本部が創設されました。(OECDに吸収)

 西欧諸国に拡がった生産性運動の目的は「国民の生活水準の向上」です。生産性向上によってコストを引き下げて企業家の利潤を増大させ、投資家への配当を増加させ、一方労働者の手取を増大させ、生産品の価格を引き下げて一般消費者を満足させ、究極において国民の生活水準の向上、国民所得の増大を目指した運動でした。

■わが国の生産性運動のはじまり

 1955(昭和30)年3月に経営者、労働者、および学識経験者の三者構成で「国民経済の生産性の向上を図る」 ことを目的とする日本生産性本部が設立されました。具体的な運動展開に当っては、この運動の基本的な考 え方、いわゆる「生産性運動に関する3原則」を設定いたしました。

(1)雇用の維持・拡大

 生産性の向上は、究極において雇用を増大するものであるが、過渡的な過剰人員に対しては、国民経済的観 点に立って能う限り配置転換その他により、失業を防止するよう官民協力して適切な措置を講ずるものとする。

(2)労使の協力と協議

 生産性向上のための具体的な方法については、各企業の実情に即し、労使が協力してこれを研究し、協議するものとする。

(3)成果の公正配分

 生産性向上の諸成果は、経営者、労働者および消費者に、国民経済の実情に応じて公正に分配されるものとする。

 この3原則は、当時の時代背景として「わが国経済の自立」と「国民の生活水準の向上」をさせるためには、 産業の生産性を向上させることが急務であったことと、国際労働機構(ILO)のフィラデルフィア宣言 (1944年)「団体交渉権の実効的な承認、生産性向上に関する経営と労働の協力、ならびに社会的および 経済的措置の準備と適用に関する労働者と使用者の協力を達成するための計画」、1952年の「企業におけ る使用者と労働者との間の協議および協力に関する勧告」などILOの生産性向上問題、労使協議制など に関する決議の精神を強く意識したものとなっております。また、当時の生産性運動は、「資源、労働、 設備を有効かつ科学的に活用して生産コストを引き下げ、それにより市場の拡大、雇用の増大、実質賃金 ならびに生活水準の向上を図り、労使および一般消費者の共同の利益を増進させる」ことを目的とするものでした。
 
■生産性運動の変遷

わが国の生産性運動はその時代の課題や目標等を発表し時代認識に即応した運動を展開してまいりました。

1960年(昭和35年) 「創立5周年宣言」

(1)新しい経営管理技術の日本的消化、(2)体系的・組織的な経営教育の開発、 (3)技術革新に即応する近代的労使関係の推進、(4)経営診断指導による中小企業経営基盤の強化、 (5)産業構造の変化による失業の増大・生産性の格差増大・地域の不均衡発展の防止、 (6)アジア諸国との技術・経験交流の促進。

1965年(昭和40年) 「生産性運動10周年宣言」

経済の高度成長がもたらした諸々の「ひずみ」の是正を提起。

1970年(昭和45年) 「生産性運動15周年宣言」

「物価の高騰、公害の増加」、「技術の革新と組織の巨大化が人間疎外をひき起こす危険性」について警告。

1973年(昭和48年) 「社会経済国民会議発足」

運動の拡大発展。1960年代終盤頃から産業公害、物価高、70年に入ってニクソンショック、スミソニアン体制の 崩壊等々による国民生活不安など、国民の間に「くたばれGNP」的な風潮と相俟って「反企業ムード」が高まり ました。このような企業レベル・産業レベルでは解決困難な課題の克服には国民的コンセンサス形成の「場」が 必要と当本部が母胎となって経済界、労働界、学識経験者、消費者団体等、経済社会を構成する各界のオピニオン リーダーの参画を得て社会経済国民会議を創設いたしました。誕生後すぐの第一次オイルショックは高度経済成長 に終焉を告げることとなりました。国民会議はまさに社会経済の大転換期に産声をあげ、1994(平成6)年の組織 統合まで20年間にわたり経済政策、社会政策、福祉政策等の幅広い分野に取組み、国民的コンセンサス形成の 「場」としてタイムリーな的を得た国民的合意形成のための政策提言等を行うシンクタンクとして活動し、政府を はじめ関係諸機関・関係者にその実現を求めました。その外、環境エネルギー問題については具体的な政策推進 活動に参画し強力な実践活動を展開しました。

1975年(昭和50年) 「生産性運動20周年宣言」

「新しい成長」を求めつつ、「単なる量的生産性の増大から、自由と公正に基づく質的生産性の向上への基本的にその視点を転じる」ことを強く示唆。

1980年(昭和55年) 「生産性運動25周年宣言」

運動の基本的任務は経済の安定成長と、福祉の質的充実にあると宣言。

1984年(昭和59年) 「生産性運動の行動目標」

(1)自由にして公正な競争を通じて、創造性豊かな企業の活力をさらに増進する。
(2)高度技術が労働に及ぼす変化に対応して、雇用の安定と機会の拡大を図る。
(3)革新技術の開発と社会と人間との整合システムを確立する。
(4)生産性成果の公正な配分と労働の人間化を目指して、新しい局面における労使関係を樹立する。
(5)生産性向上が世界経済の成長と人類の進歩の原点であることを確信し、これの実現に協力する。

1986年(昭和61年) 「生産性白書」刊行

生産性をめぐる新しいパラダイムへの試み。「人間生産性概念の具現としての組織生産性」、「成果分配問題の拡張」、 「労使関係の方向」、「生産性の新たな国際交流とグローバリズム」等。

1991年(平成3年) 「中期的にみた生産性運動の基本的方向」

(1)成果配分重視の運動展開
(2)新たな雇用問題への取り組み
(3)低生産性部門への積極的運動展開
(4)生産性運動の国際化

1994年(平成6年) 社会経済生産性本部発足

組織目的:
「社会的にも国際的にも広がりをもった生産性運動を推進し、社会経済諸システム改革のための 国民的合意形成を図ることによって、国際的にも調和がとれた経済社会の持続的発展と豊かで ゆとりある公正な社会を実現すること」

活動理念:
(1)社会的公正と透明性の確保
(2)産業社会の活性化と持続的発展
(3)国際的貢献と地球環境の保全

活動領域と課題:
(1)社会的諸システムの改革
  [1]社会的諸システムの高齢化社会へむけた改革
  [2]政治・行財政改革の推進

(2)生産性向上と経済構造の改革
  [1]産業レベルの生産性向上と産業政策
  [2]知的生産性の向上と健全な労使関係の維持
  [3]経済諸システムと産業構造の改革

(3)国際経済社会の発展と地球環境の保全
  [1]世界経済発展のための経験交流と積極的技術協力
  [2]資源・エネルギーの確保と地球環境保全
  [3]国際社会におけるわが国の役割の明確化

1996年(平成8年) 「高質生産性社会」の提唱

高質生産性社会とは、(1)イデオロギー対立の時代に代わる国際的な拡がりをもった市場経済の 原則を尊重する社会(いわゆるメガ・コンペティションの社会)、(2)キャッチアップ型経済社 会に代わる価値創造型社会、(3)供給側の論理・視点中心の経営から顧客価値を重視した経営の 質的革新が進展する社会、(4)個別企業の労使にとどまらず、株主、顧客、市民等ステイクホル ダーにまで拡大された関係を重視する社会、(5)大量消費型社会から地球環境を重視する循環型 経済社会など、新しい価値をイメージした産業社会構想。

二十一世紀生産性宣言

2001年1月、二十一世紀を迎えての生産性運動のありかたを「二十一世紀生産性宣言」として発表いたしました。

新しい日本を創り上げる運動である。「産業界労使、学識経験者を含め、消費者代表、NPO代表など国民各界各層の 一層の参加のもとに、国民的合意形成による社会経済諸システムの抜本的改革を進めることにより生産性を向上させ、 あらゆる分野における高次元の経営を達成する運動である。それはまたグローバル化した市場主義に適応しつつ、新し い次元での繁栄と福祉を達成しようとする人間尊重の精神の発揮であり、日本型モデルの確立を図ることである。」(抜粋)

二十一世紀生産性宣言

2005年(平成17年) 生産性運動50周年宣言「信頼と活力ある社会の創造」

生産性の精神は現状をより良くありたいと願う人間の本質によるものであり、あらゆる改革は 生産性精神の現れである。われわれは、この精神のもとに、雇用の維持・拡大、労使の協力と 協議、成果の公正分配からなる生産性運動三原則を引き続き質的に高めつつ、新しい日本を 創りあげる改革運動に邁進することを誓い、以下のことを実現することを宣言する(抜粋)

生産性運動50周年宣言


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