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ミドルマネジメントの何が問題なのか 2008年11月25日号
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「休日でもメールが入ってないか気になって、買物に出かける妻や子供を車で駅まで送った帰りに、思わず会社に寄ってしまう」。ある電機メーカーの設計部門で重責を担う課長の赤裸々な心情です。日々、納期やコストダウンに追われて心休まる暇がありません。部門の管理職が集まる会議は定期的にありますが、内容は業務の進捗確認や会社の動向などの報告がほとんどで、悩みを出し合ったり、お互いの仕事に踏み込んで相談し合うことはまずありません。日常の仕事のしかたが、例えば部長が個々の課長と一対一で指示し管理する「鵜飼マネジメント」のスタイルであることも一因です。鵜匠が一対一で鵜を操るのですが、鵜どうしは相談や協力はしないわけです。
このような状況に追い討ちをかけるように、人事部門が導入してきた個人の成果を問う成果主義の評価制度が追い討ちをかけます。さすがに最近は見直しの動きがありますが、基本的には「ひとりで頑張る」が会社の常識になっています。
実は、この「ひとりで頑張る」状況こそが、ミドルマネジメントに関する問題の本質なのです。経営環境が変わり続ける今、管理職に要求される課題はどんどん増えて、その内容も複雑かつ多様になっています。しかも、過去の経験からは答が見つからない問題がほとんどです。マネジメントスキルの向上のために人材育成部門が工夫を凝らした研修を実施していますが、実際の仕事の中で今ひとつ助けになっていないのは、「ひとりで頑張る」という常識を超えていないからです。
一番問題になるのは、「ひとりで頑張る」が「考える力」を奪ってしまうことです。某機械メーカーであった実際の話ですが、部下を通じて入ってくる「こういう改善をしてくれ」というお客様の要望に対して、技術サービス部長は「こう処理しておけ」という指示だけをしていました。なぜ顧客がそういう要求をするのか? どういう背景があるのか? そういう要求は増えているのか? を問わないのです。そこに顧客の変化の兆しがあり、新たなビジネスチャンスの可能性があるかもしれません。ちょっとした変化に疑問を持ち、相談し合うことが当たり前になっているか。属人的な問題のように見えて、会社の持続的成長に関わる重要な課題なのです。
この問題を解決するためのコンセプトが、「鵜飼マネジメント」から「チームマネジメント」への転換です。このコンセプトは、人の成長に関しては「個を鍛える」から「チームで鍛え合う」へ、仕事のしかたに関しては「個でマネジメントする」から「チームでマネジメントする」へと、二つのパラダイムの転換を含んでいます。ただし、「チームマネジメント」を実際に効果のあるものにするためにはいくつかのポイントがあります。
次回からは「チームマネジメント」について、実例を通して成功のポイントや実現のプロセスを提示したいと思います。
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【筆者略歴】
スコラ・コンサルト プロセスデザイナー 長野 恭彦氏
大手電機メーカー勤務を経て現職。幅広い業界の企業風土改革に関わる。
著書に『ここから会社は変わり始めた』(共著、日本経済新聞社)。
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