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<事例・続>チームマネジメントへの挑戦 2009年3月15日号
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部長チームで事業部全体に関わる問題を解決する
マネジメントの主要業務を、@ビジョン・方針の共有化A人と組織の活性化B業務オペレーションの効率化、の三つに分けると、前回の話はAに相当する部分です。今回はBの部分を見てみましょう。
部長たちが部長研究会に意義を感じ始めた頃、製品開発日程の遅延が頻発していて、その原因のひとつである「顧客からの改造要求への対応業務」が悩ましい問題になっていました。営業や顧客サポートなどの複数部門を通じて入ってくる顧客先で稼動中の製品への改造要求は、技術サポート部に集約されます。技術面での対応は同部で済む範囲のものもありますが、ほとんどは図面の確認や改造の実現可能性、技術的な検討などを要するため、製品開発を担当する部門との協力が欠かせません。
改造要求の件数が少なかった数年前までは、部署間の担当者同士で少し話し合う時間を取る程度で対応できました。しかし、件数が増えて要求が高度化してくると、開発担当者の負担も増して本来業務に支障をきたすまでになり、話し合うどころではなくなっていたのです。
その問題について、ある日の部長研究会で、技術サポート部の部長と他の部長との間で白熱したやりとりになりました。「改造の仕事が開発担当者の本来業務を邪魔している」「なぜ担当者任せにしておいたんだ」「ほったらかしていたわけではない」「なぜもっと早く俺たちに言ってくれなかったのか」「会議で何回か言ったのに、何とかしろのひと言で片付けられたから、言っても何かしてくれるとは思えなかった」。
いつものことですが、他の部長は実情や背景を知りたいので、どうしても詰問調の質問になってしまいます。しかし、表情には問題に取り組む真剣さと相手を助けようとする温かさが感じられます。面と向かっての話し合いでそういった気持ちが伝わるため、問われるほうも「言い出しっぺが損をする」という恐れを抱くことなく、率直にすべてを伝えようと努力することができるのです。
そういうやりとりを通じて、「悩み事としてきちんと聞いてなかった」「助けようとしなかった」と他の部長から反省の弁が聞こえてきました。そして、お互いの話から問題の全体像が見えてくると、「技術サポート部だけの問題じゃないな」と、何が問題かを一緒に考え始めました。今までは自部の仕事を邪魔する厄介な存在として技術サポート部を悪者扱いにし、問題を矮小化していたが、実は事業部全体に関わる、しかも顧客満足度に影響が及ぶ重要な問題なんだ、という認識にいたったのです。
結局、この問題については事業部全体の問題としてとらえて、部長たちで協力して解決していくことになりました。具体的には、改造要求の状況を把握するための案件リストを作成する、改造要求業務に関する事業部のルールをつくる、技術サポート部の担当者向けの技術勉強会を実施するなどの手を打つことになりました。「とにかく現状をつかむ必要があるな」「俺がリストアップするか」「じゃあ、俺がルールのたたき台をつくる」・・・。部長たちは、時には自ら手を上げ、時には適任者を推薦し、とトントン拍子に実行責任者を決めていきました。
それぞれの目に映る現実を率直にぶつけ合えるチームになったからこそ問題の全体構造が見え、全体最適でスピード感を持った問題解決が可能になったのです。
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【筆者略歴】
スコラ・コンサルト プロセスデザイナー 長野 恭彦氏
大手電機メーカー勤務を経て現職。幅広い業界の企業風土改革に関わる。
著書に『ここから会社は変わり始めた』(共著、日本経済新聞社)。
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