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日本版SOX法導入のあらまし 2007年9月25日号
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2006年6月、これまでの証券取引法を大掛かりに改正する形で金融商品取引法が制定された。
金融商品取引法は、投資家保護を目的として、四半期開示の義務づけ、公開買い付け制度(TOB)や大量保有報告制度の見直しといった企業情報の開示制度の充実を図るということを柱のひとつとする法律である。
金融商品取引法では、この企業情報の開示の充実の一環として、米国のSOX法を手本として、新たに企業の内部統制の監査に関する制度が導入された。この新たに導入された内部統制の監査に関する制度が、俗に日本版SOX法と呼ばれているものであり、2008年4月からの施行が予定されている。
日本版SOX法が導入された背景を一言で言えば、資本のグローバル化である。
金融商品取引法の制定によって、上場企業に適用されることになった内部統制の監査に関する制度の概略は次のとおりである。
企業の経営者には、その企業の財務報告が適正に作成されるための内部統制を構築する責任があることは言うまでもない。日本版SOX法は、上場企業の経営者に対して、自分たちが構築した内部統制が有効に運用されているか、機能しているかをまず自分たちで評価するよう求めている。そして、経営者は、内部統制を評価した結果を報告書にまとめなければならない。この報告書のことを「内部統制報告書」と呼ぶ(ステップ1)。
次に、企業とは独立した外部の監査法人または公認会計士(以下、「外部監査人」という)が、経営者の内部統制の評価が適切に行われているかについて監査し、監査の結果としての意見を監査報告書で表明する(ステップ2)。
最後に、経営者は、外部監査人の監査意見の付いた内部統制報告書を、毎年一度提出する有価証券報告書とあわせて、内閣総理大臣に宛てて提出することによって、投資家に開示することが求められている(ステップ3)。
要するに、上場会社の経営者は、自社の内部統制の有効性について、まず自分たちで評価したうえで(ステップ1)、その評価結果について外部監査を受け(ステップ2)、監査済みの内部統制報告書を投資家に開示するのである(ステップ3)。
この内部統制の監査制度によって、投資家としては、外部監査人の意見の付いた内部統制の評価報告書を読むことで、自分の投資した会社やこれから投資しようとする会社の内部統制がきちんと整備されているのかを判断することができるようになる。
内部統制は、その会社が持続的に発展していくために不可欠の要素であるが、投資家は経営者の内部統制報告書と外部監査人の意見を参考に、投資先を選別することができるようになるのである。金融商品取引法が、日本版SOX法を企業情報の開示制度の充実の一環として位置づけているゆえんである。
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【筆者略歴】
弁護士・米国公認会計士 佐藤孝幸氏
弁護士・米国公認会計士・公認内部監査人・公認金融監査人。『実務契約法講義(第2版)』(民事法研究会)など著書多数。
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