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コンプライアンス教育と人事評価 2008年2月5日号
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日本版SOX法の実施基準では、内部統制は(1)統制環境、(2)リスクの評価と対応、(3)統制活動、(4)情報と伝達、(5)モニタリング(監視活動)、(6)ITへの対応の六つの基本的要素から構成されるとしている。この六つの基本要素の中でも、基本中の基本ともいうべき要素が、(1)統制環境である。統制環境とは、組織が保有する価値基準や組織の基本的な人事、職務の制度などを指す。統制環境は、目にこそ見えないものの、「社風」、つまり組織の気風を決定し、組織内のすべての者の統制に対する意識に影響を与える。
統制環境には、経営者の考え方や倫理観、経営方針・経営戦略、権限と職責、人的資源に対する方針と管理などが含まれる。人事担当者において重要なのは、最後の「人的資源に対する方針と管理」であろう。「人的資源に対する方針」とは、雇用、昇進、給与、研修等の人事に関する方針である。
本稿では内部統制の目的の一つである法令等の遵守(コンプライアンス)を例にとって、研修や人事制度のあり方を概説する。
そもそもコンプライアンス教育を行う目的は何であろうか。まず、コンプライアンス教育を実施することによって、企業と従業員との間でコンプライアンスの重要性に関し、様々なレベルでの共感が醸成される。また、教育を受ける従業員にとっても、自分の責務の範囲が明確になるというメリットがある。
コンプライアンス教育の実施にあたっては、(1)教育・研修責任者の設置、(2)教育・研修内容の決定、(3)定期的でタイムリーな教育・研修の実施の三つがポイントになる。
1.教育・研修責任者の設置
あらかじめ社内にコンプライアンス教育・研修の責任者を定めておくことで、コンプライアンス教育に関する責任を明確にする。内部統制の構築においては、権限と責任の明確化が基本である。
2.教育・研修内容の決定
教育責任者が常に実際の教育を実施するとは限らない。教育内容を社内で均一化するためにも、あらかじめ年間計画などの形でカリキュラムや教育内容を定め、計画的に教育・研修を行うことが大切である。定期的に、タイムリーに教育研修を行うことができるように配慮する。
3.定期的かつタイムリーな教育研修
コンプライアンス教育は定期的に実施することが必要である。場合によっては、新規採用者向けや管理職向けなど階層別の教育研修も必要となろう。重要な法改正が行われた場合などには、タイムリーなコンプライアンス研修を実施することも重要である。
また、研修を実施した後には、理解度をチェックするための試験を実施したり、コンプライアンスを遵守する旨の誓約書を提出してもらうことも検討したい。さらに、コンプライアンスを人事評価項目に加え、法令を遵守することが報酬に直結するような人事評価制度を導入している企業もある。
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【筆者略歴】
弁護士・米国公認会計士 佐藤孝幸氏
弁護士・米国公認会計士・公認内部監査人・公認金融監査人。『実務契約法講義(第2版)』(民事法研究会)など著書多数。
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