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●創造性と主体性をいかす新たな働き方
企画業務型裁量労働制(以下「企画型」)は、平成11年の労働基準法の改正により新裁量労働制として導入され、「社会経済の構造変化等が進行するなかで、事業活動の中枢にある労働者が創造的な能力を十分に発揮し、自らの能力をいかし主体性をもって働くことに対応する新たな働き方のルール」(解釈例規【趣旨】平11・1・29基発45号)とされた。
企画型は、専門業務以外に従事する一般の事務系労働者(ホワイトカラー)にみなし労働時間制を適用するものであり、法案成立にあたり労働側より厳格な要件が課せられた。
第一に、対象事業場は「事業の運営上の重要な決定が行われる(本社等)」に限定され、第二に、労使委員会の決議は「全員の合意」が必要とされた。
国会審議において厚生労働副大臣は、サービス残業に悪用される恐れがあると主張する労働側に配慮し、「裁量労働制を採用している事業場に対する監督指導については徹底的に行う」と答弁した。
●労使委員会の決議と届出が効力発生の要件
企画型は、「賃金、労働時間その他の労働条件に関する事項を調査審議し、意見を述べることを目的とする委員会が設置され、その委員が決議をし、使用者が行政官庁に届け出た場合、当該労働者は決議した時間労働したものとみなす」(労基法第38条第1項)制度。
専門型は、労働者の過半数代表との間で「みなし時間の労使協定」を締結することが要件とされたが、企画型は労使協定ではなく「労使委員会の全員の合意」及び「決議の届出」に代えられた。
労使委員会は、ドイツの労使協議会制度をモデルとし労使自治の原則を導入するものであったが、「委員会による調査審議は、団体交渉権を制約するものではない」(労働省告示第149号平成11年12月27日)として労働側に譲歩した。更に「決議の届出を行わなければ、裁量労働制の効力は発生しない」(前出告示)とした。
届出を効力発生要件としているものは、労働基準法では時間外・休日協定と企画型の決議の2条項のみである。
●企画、立案、調査及び分析を組み合わせて行う業務
平成15年の労働基準法改正により、事業場及び決議の要件は緩和されたが、「企画、立案、調査及び分析の業務であること」という対象業務の要件は、「組み合わせて行うことを内容とする業務」(【決議事項の内容】平成15・12・26基発1226002号)とされ、企画、立案、調査及び分析のいずれをも行う業務が対象とされた。
例えば、市場調査を行う労働者は、企画、立案を含めて一人で背負っていなければ、みなし労働時間の適用を受けることが出来ないことになり、「大卒の場合、少なくとも3年ないし5年程度の職務経験」(前出労働省告示)の見解と矛盾している。労働現場の実態に即した改革が望まれる。
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【筆者略歴】
社会保険労務士 加納明夫氏
加納人事労務研究所所長。主な著書に、「小さな会社の総務・経理・労務の仕事」(ぱる出版監修)、「中小企業のための公的助成金大活用ガイド」(ぱる出版)、「特集『パートタイマーと退職金制度』調査」(中退共)共著。
事務所ホームページhttp://members.ld.infoseek.co.jp/kano_roumu/
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