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次世代育成支援と短時間労働勤務   2007年10月5日号

●少子化と人口減社会と新たな働き方

   2003年7月「次世代育成支援対策推進法」が成立し、その年の「合計特殊出生率」は、1・29と過去最低を記録した。同時に、議員立法「少子化対策基本法」が超党派で成立し「有史以来未曾有の事態に直面し、長期的展望に立った不断の努力」の必要を訴えた。

   すでに、生産年齢人口(15〜64歳)は、1995年(阪神・淡路大震災)以降減少を始め、2005年には1万人の人口減少(「人口動態統計」厚労省)が見込まれていた。人口減少は、生産と消費の減少を招き、経済の縮小による雇用不安、所得減少、年金破綻の社会の到来を意味し、少子化対策は待ったなしであった。

   政府は同法の成立により、(1)企業の育児支援義務を強化し、(2)市区町村に行動計画の公表を義務化し、(3)国民挙げての子育て支援を呼びかけた。もっとも国民に対しては「父母その他の保護者が子育てについての第一義的責任を有するとの基本的認識の下に、家庭その他の場において、配慮せねばならない」との人権に対する配慮を必要としていた。

●ワーク・ライフ・バランスの現実

   同法の最大の特徴は、企業の育児支援義務を大幅に強化したところにあり、最も困難な課題は育児休業取得率の目標値(特に男性10%)であった。先進国でのワーク・ライフ・バランスの取組みは、優秀な人材の確保、生産性、顧客満足度、業績、社員のモラール向上等様々な効果・企業メリットを提供していた。

   ワーク・ライフ・バランスとは、「働く者が、『仕事』と家庭・地域・学習等の『仕事以外の活動』を様々に組み合わせ、バランスのとれた働き方を選択すること」(「仕事と生活検討委員会」報告)である。男性の家事時間の国際比較を見ると、カナダ‖43・4分、アメリカ‖37分、イタリア‖22分、日本‖12・5分と先進国中ワーストワンで、日本は、男性の家庭進出度の低い国、その結果として低出生率の国、「企業戦士(男子)厨房に入らず」という諺どおり「男は仕事、女は家庭」という性別によって男女の役割を決めてしまう社会である。

   日本の働く女性の三重苦(家事・育児・仕事)をそのままにした両立支援から、性的役割分担と男性中心の働き方を見直すこと、ワーク・ライフ・バランスが求められている。

●育児短時間勤務と多様な働き方

   男性の育児休業取得率は0・33%であったので、目標の10%は30倍。男性を含め育児をしながら働き続けられる職場環境は、育児短時間勤務制度、育児フレックスタイム制度、看護・出産時配偶者休暇制度、テレワーク(在宅勤務)等多彩なプログラムが準備されているが、運用面において先進企業の取組みに限られているのが現状だ。

   なかでも育児短時間勤務は、(1)仕事と育児の両立が時間の面で可能となる、(2)一定の収入が確保でき両立が経済の面で可能となるなどのメリットがあり、制度導入が望まれる。

【筆者略歴】

社会保険労務士 加納明夫氏

加納人事労務研究所所長。主な著書に、「小さな会社の総務・経理・労務の仕事」(ぱる出版監修)、「中小企業のための公的助成金大活用ガイド」(ぱる出版)、「特集『パートタイマーと退職金制度』調査」(中退共)共著。
事務所ホームページhttp://members.ld.infoseek.co.jp/kano_roumu/

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