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〜「安定志向」の背景「将来への漠然とした不安」からくる「つながっていたい欲求」〜 (2008年6月15日号)
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今回は今年の新人の安定志向、その根底にあるものについて書いてみたいと思います。なぜなら、今年の新人が安定志向になっていることには理由があり、そうした背景も踏まえて今後の新人育成を考えていかないと的を外したものやむしろ逆効果なものとなってしまいかねないからです。つまり、過去から続けている研修や新人支援をただ繰り返しているだけでは、今の新人からすれば「いまひとつなじめない」、「自分には合っていない」などとマイナスに受け止められてしまうということです。
大学で学生を指導していてここ1、2年特に感じることですが、就職することや働くことについて斜に構えているというか、どこかネガティブにとらえている向きがあります。「就職はしたいけどどこかさめている」「夢や希望は仕事の他にある」こういったかんじです。それが今の日本の若者の風潮といってしまえばそれまでですが、この1、2年でこうした傾向に拍車がかかっているかのようです。
こういったことを当の学生に聞いてみると、「仕事はお金を稼ぐもので、自分の楽しみや趣味がある」「会社もあるけど友達や家族との生活を大切にしたい」などと彼ら彼女らなりの会社や仕事の位置づけが分かります。また、3、4年前によく耳にした「自分の好きなことで起業したい」とか「やりたいことがみつかるまで就職できなくてもいい」などいったベンチャー、自分探し(青い鳥)症候群的な発想と異なっていることも分かります。
さらに深掘りして聞いていってみると、「ニート、フリーターはちょっと困る」「だから、ちゃんと就職したいけどあまり無理はしたくない」「でも、ある程度の安心感のある会社や仕事がいい」などといったことで、どうやら「あまり大きなことや苦労しそうなことはしたくないし、考えてもいない。むしろ、ある程度の安心感が得られるようにしたい」といった心理模様のようです。
彼ら彼女らは、最近の会社社会に敏感に反応しているだけのことかもしれません。「不況不況と言われ将来への希望が持ちにくい、だからといって自分でなにかやって食っていくかといえばそれも難しい。今は会社にいることでそんなに不安を感じなくてすむ」、おそらくこういった心理は多くの会社員に共通していることでしょう。だからこそ、こうした心理面に目を向けたケアを行っていくことが必要ですし、逆に、こういった心理をうまく活用していくことがより大切になってきています。
例えば、新人だけでなく、その先輩やOJT担当者も交えて、会社や仕事に対する思いや考えを交換してみる、そんなことができる場を設定するだけでも心理的なケアとして大きな効果があります。こうすることで、「不安に思っているのは自分だけじゃないし、こうやって先輩たちと話すことができてちょっと安心した」そんな安心感や安堵感が生まれるからです。このように、今年の新人には「安定志向」の背景にある「将来への漠然とした不安、そこからくるつながりを求める心理」をケアしていくような支援策が求められているということです。
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【筆者略歴】
Performance Excellence Associates
(パフォーマンス エクセレンス アソシエイツ)
代表 坂本 崇氏
業績向上コンサルタント。
問題解決やコーチングのような思考とコミュニケーションの各種スキルを活用して、外資系大手コンサルティングファームから中小企業や行政組織まで、ビジネス能力の向上を経営力アップに無理なくつなげ組織の業績向上を実現している。
ホームページ http://www.e-management.jp/
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