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新入社員の職場不適応 相手の話を充分に聞くこと その上で自分なりに考えさせる (2008年9月25日号) |
ここまでの連載で、今年の新人の特徴やその育成についてのヒントやポイントをご紹介し、いかにして今年の新人をうまく育てていくかに焦点を当ててきました。今回は、その反対で、新人がうまく育たない、それ以前に、新人に職場不適応等の問題が起こってしまった場合への対処について述べてみたいと思います。
新人が会社を辞めてしまえばもう手遅れですが、それ以前に、普通は遅刻早退や休む頻度が増えたりするなどなんらかの兆候があります。ただ、今年の新人に関しては、そういった反応が分かりにくいことが特徴です。それまではなんの予兆もなくても、突然「もう会社を辞めたい」と言ってきたりします。でも、この段階でならまだ間に合います。なぜなら、「今の状況はイヤだ」、「自分に合う環境のところへ行きたい」などと漠然とした逃避願望を抱いているにすぎない場合が多々あるからです。だから、まずは「どうしたの?」と冷静に「今、不満に思っていること」や「心配していること」を聞くことです。この段階で、「今の不満や心配をどうすれば解消できるか」を問い正してしまったり、「現状を受け入れること!」とか「我慢も大事!」など、べき論で話をしてしまったりしがちですが、そんなことをしてはかえって逆効果です。むしろ、相手の思いを聞くことに止めておいて、「自分の話を聞いてもらえる」そんな安心感を醸成することが先決です。
そうしてから、次のステップに移ります。それは、さらにその新人の思いや考えを聞くこと、もっと聞き出すことです。不安や心配に思っていることは具体的にどんなことで、なぜ不安に思うのか、また、どうすればそれを克復したり、解決したりできると思うのか、新人の考えを聞きます。その場ですぱっと答えが出てくるものばかりではないでしょうが、こうして問いかけられることによって新人が自分なりに考えることが重要です。そう仕向けることで、「実は、そんなに大きな問題ではなかった」とか、「自分の考えすぎだった」、また、「意外と簡単に解決できるかもしれない」などと、自分の考えの至らなさや思い込みに気がつくことができます。それに、こんなふうに自分の困っていることや自分の考えを聞いてもらえる、そんな人がいて、そういった場がある!こう思えることが大切なのです。
今年の新人については、ゆとり世代で打たれ弱く、話し下手、消極的でやる気も低いなどといったことが言われ、それは筆者も実感しているところで、企業によっては、自衛隊への体験入隊やボランティア活動、ブログや社内ネットワーキングシステム等を活用して、根性や規律、仲間意識、コミュニケーション等の鍛錬や醸成に努めているところもあります。しかし、こういった工夫をしていても職場不適応といったことが起こってしまうのも事実で、そのときに、一緒になって話し合える人がいることで救われる新人は多いものです。相当な手間とコストをかけてせっかく採用した新人を定着させるには、マス対応だけでなくこうした個人のサポートにも十分配慮することが重要なことになります。
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【筆者略歴】
Performance Excellence Associates
(パフォーマンス エクセレンス アソシエイツ)
代表 坂本 崇氏
業績向上コンサルタント。
問題解決やコーチングのような思考とコミュニケーションの各種スキルを活用して、外資系大手コンサルティングファームから中小企業や行政組織まで、ビジネス能力の向上を経営力アップに無理なくつなげ組織の業績向上を実現している。
ホームページ http://www.e-management.jp/
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