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千葉夷隅ゴルフクラブの事例(下) 2007年7月25日号
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今回も前回に引き続き、千葉夷隅ゴルフクラブの具体的な取り組みを見ていきます。ちなみに加藤元総支配人はとても立派な体格をお持ちで、最初お会いしたときに、「なにか、とても豪快そうな方だな」、と思ってしまいました。しかし、それとは裏腹に加藤氏は人に対して大変こまやかな気遣いや配慮をされる方で、今もお会いする度に、その心遣いに感心させられ、そのお人柄には魅了されるばかりです・・・。
さて、同ゴルフ場では、前回紹介したように、加藤氏のトップダウンのもと、サービスで勝つというコンセプトでスタートしました。信じられないような話ですが、トップである加藤氏自らキャディ業務等を行い、お客様の声と第一線社員の声を直接聴きました。その上で、お客様が期待されるサービスの基準を機能的サービスとして標準化し、各部門のマニュアルを作成していったのです。
次に、社員も積極的に参画し、その意見を反映するボトムアップも加え、サービス向上を組織的な活動として確立していきました。このように新しいコンセプトをトップダウンで進めながら、ボトムアップで巻き込んでいくと言ってしまえば簡単ですが、総支配人自らが、全員女性のキャディさんに交じって現場の仕事をするとなると、そう簡単なことでもないと思います。
本来必要なことは、トップ自らの考えを言葉だけでなく行動を通じて、いかにトップが本気であるのかを示していくことだと思います。こうして、同ゴルフ場では「魂の入った仏」として、トップダウンとボトムアップを組み合わせたトータルなサービス・マネジメントを展開していきました。このサービスを展開していく場面で、標準化されたサービス・プロセスの内容を継続的に維持・向上させる改善活動として全社員参画の小集団活動を導入し、サービス基準マニュアルの改訂、お客様の事前期待を上回るサービス・プロセスに努めていきました。そして、現在では、中期3カ年経営計画に基づき目標を「方針管理」「小集団活動」「日常管理」「個人目標」とし、その達成を目指しています。
こうした取り組みにより、開場10年目の1988年に日本能率協会が制定する「JMAサービス優秀賞・特別賞」を受賞。そして、この時期から、それまで築き上げてきた機能的サービスに、情緒的サービスを加え、さらに洗練されたサービス提供により、お客様のリピート率を高めてきました。さらに、こうしたサービス提供のあり方やその取り組みを経営のレベルにまで昇華させたこと、また、高い顧客満足度や高い業績が認められ、開場19年目の1997年に「日本経営品質賞・中小企業部門」も受賞しました。こうして高いサービスをお客様に提供することができるゴルフ場として、名実ともにその名を不動のものにしたのです。
同ゴルフ場の考え方やその取り組みに学ぶべきところは、自分たちがやりたいと思うことを自分たちの目線だけではなく、置かれた状況やお客様の視点から分析的に考え、それを実現すべく時間をかけて取り組んでいったことだと思います。もちろん、その過程でトップ自らが模範を示し続けたことも見逃せません。また、サービスレベルの高さやその発揮度合いを外部の目でチェックしていることも大きなポイントです。ですから、同ゴルフ場は、お客様第一やおもてなしなど言っている割にはあまりピンとこない組織と違い、そのサービスの良さが理解され、納得できるレベルにまで達しているのだと思います。
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【筆者略歴】
Performance Excellence Associates
(パフォーマンス エクセレンス アソシエイツ)
代表 坂本 崇氏
業績向上コンサルタント。
問題解決やコーチングのような思考とコミュニケーションの各種スキルを活用して、外資系大手コンサルティングファームから中小企業や行政組織まで、ビジネス能力の向上を経営力アップに無理なくつなげ組織の業績向上を実現している。
ホームページ http://www.e-management.jp/
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