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今回は、顧客理解について考えていきます。「あなたの会社の顧客は誰ですか」。一見誰にでも答えられるような単純な問いかけにどう答えるかによって、どの程度顧客のことを理解しているかが分かります。この問いかけに対して、「地域住民全員が顧客です」「毎日、来店してくれる人が顧客です」などでは、全く答えになっていません。
この程度の認識では、顧客理解について考える以前に、まずは、顧客を区分することからはじめるべきです。なぜなら、会社と顧客の関係性が現状、どういったものであるのか整理もないままに、どの顧客にも一律の対応をしているようでは、それぞれの顧客の気持ちを無視しているに等しいことだからです。
会社と顧客の関係も私たち個人の人間関係と同じで、相互の接触度合いなどを基準にして、最適な関わり合い方があります。相互の接触度合いや関わり合い方を切り口としてもいろいろと整理ができます。整理もなく、どんな人にも同じ対応をしていると、密接な関係にある人たちからは、「いつまでたってもよそよそしい」などと疎遠にしていると思われます。一方、新しく関係性ができはじめた人たちからは「まだよく知らないのに遠慮がない」などと抵抗感を抱かれてしまいます。
このように、わたしたちは人との交流において、これまでの経験をもとに人との最適な付き合い方を学びそれを実行しています。しかし、これが会社と顧客との付き合い方になると、きちんとできていない会社が実に多くなります。
実際、筆者が経営セミナーで関わりをもったある建設会社では、従業員数10人で市内の10階建て程度のオフィスビル建築を中心に商売をしているにも関わらず、「あなたの会社の顧客は誰ですか」との問いかけに対して、「地域の全住民です」となんのためらいもなく答えていました。
オフォスビル、それも小規模のビル建設をメインとしているとなると、この答えの違和感が分かると思います。
この会社の場合は、その後のコンサルティングを通じて、「現在の顧客からどの程度の売上や利益が上がっているのか」「付き合いがあっても、売上や利益にあまり貢献していない顧客は誰か」、また、「売上はあるものの利益としてトントンか、むしろマイナスになっている顧客は誰か」について考えてもらいました。そして、収益の出てない顧客との付き合いはほどほどにして、売上、利益に貢献のある顧客の案件、その中での要求事項や要望を今まで以上に丁寧に聞いていきました。すると、いずれの顧客も、同社の「高気密、高断熱」の技術を評価していることが分かりました。
今回の建設会社のケースは、現在の収益というところから、すでに顧客が同社に価値を見出している点を明らかにしていったわけですが、今までに付き合いがなく、これから顧客になっていただく人たちを理解していく方法もあります。それは、顧客との関係性の深まりの変化に着目していく方法です。それは、最初は見知らぬ人が、広告や紹介によって関係ができ、その後、関係性を深めていくことになりますから、その深まり具合に着目して、ターゲット(見込み客)→ファーストタイム(初回客)→リピーター(常連客)とそれぞれの段階でどんな情報提供や関わり方を行ったのかを明らかにしていく方法です。
こう考えると、見込み顧客になってもらうために、また、より関係性を深めていくために、それぞれの段階で何を行うべきかが明らかになります。従って、「接待して仲良くなる」とか、「言われたことをなんでもする」などといったような手法に陥ることもありません。
このように、顧客理解について考えるためには、まず、顧客をなんらかの軸で区分して、それぞれの区分の顧客が望んでいることを明らかにしていくことが大切です。
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【筆者略歴】
Performance Excellence Associates
(パフォーマンス エクセレンス アソシエイツ)
代表 坂本 崇氏
業績向上コンサルタント。
問題解決やコーチングのような思考とコミュニケーションの各種スキルを活用して、外資系大手コンサルティングファームから中小企業や行政組織まで、ビジネス能力の向上を経営力アップに無理なくつなげ組織の業績向上を実現している。
ホームページ http://www.e-management.jp/
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