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■経営アカデミー 経営者講演録 (生産性新聞 記事より)

中野克彦氏
中野 克彦 氏(日本ゼオン 相談役)
(1956年日本ゼオン入社。代表取締役社長、代表取締役会長、取締役会長を経て、2007年から相談前代表取締役社長)

「人格は習慣的行動の総和」

 経営を変革するには、@企業のあるべき姿を明確にして従業員を引っ張っていくこと、Aトップが決めたことを100%従業員に浸透させること、Bそのためには上下左右のカベをなくすこと、の三つが重要だ。
 当社でも売上高がほとんど変わらず成長が止まっていた時期があった。その期間の停滞の原因を分析してみることで、企業の停滞の原因のいくつかを見ることができる。
 停滞企業では、第一に、方向性があいまいだ。企業のあるべき姿や方向性が明確に表されていない。進むべき方向や方針は、従業員に共感が持てるものになっており、かつ、全員に浸透していなければならない。
 第二に、上下左右にカベがたくさんある。
 かつて当社の研究は研究所まかせで、なかなか新製品が出てこなかったこともあった。社長になってから毎月1回、研究所に通い、研究の進捗状況をヒアリングするようにしたところ、最初の頃は、上司が部下の研究について、技術中心の説明で終始していたが、話を聞いているうちに発表のテーマが事業になるかどうか、また、収益につながるかどうかが希薄であることがわかってきた。そこで技術の進捗説明に加え、「コストは、市場は、競合は」と事業創造へ重点を置いた質問をすることによって経営の意思を伝えていった。
 さらに、スピードを重視し、事業になりそうな良いテーマについては、研究が完了したら全社の意思決定機関に提出しなさいと、その場で即決した。その結果、若い研究者が早く成果をあげ自ら発表し投資に結び付けたいと活発に動き出し、結果として経営の方針と研究の方針が一致すると同時に、トップと研究員のカベがなくなっていった。
 第三に、偏った「悪しき空気」の支配がある。『空気の研究』(山本七平著)という本があるが、「何を言ってもだめだ、言われるまで待とう、言われたことだけやればいい」という空気が社内を支配していたら創造性は生まれてこない。それを壊すことが一仕事だった。
 リーダーシップには、自分の言葉や人格が届く小単位の人々を対象とする「個人のリーダーシップ」と、目の届かない多数の人々を対象とする「組織を動かすリーダーシップ」の二つがある。
 「組織を動かすリーダーシップ」で重要なことは、第一に、まず方向性を示すことだ。会社や部門のありたい姿を明確にし、従業員の共感を得た達成可能なものとすることだ。第二に、ありたい姿に到達するための戦略を示すこと。そして第三に、それらを従業員に浸透させることである。説明し、理解し、納得させ、行動させて、はじめて浸透しているといえる。
 一方、小単位を率いるリーダーシップでは、部下を感動させる力を持つことが重要だ。感動させるためには、感動させる側の人格が求められる。才能は持って生まれたものだが、人格というのは日頃の行動の総和だと言われる。つまり、うそをつかない、誠実である、面倒見がいい、博学である等々、単発的なものではなく、習慣的行動の総和なのだ。その一つとして言葉に習熟することも大切なことだ。
 「百尺竿頭 一歩進めよ」という言葉がある。長い竹竿を対岸に届かせるためにもう一歩手を伸ばせということだが、やり遂げたと思ってからさらにもう一歩努力することを意味している。私が社長のときに、ある工場長が入ってきて、「今年はコストダウンを10億円達成しました」と報告に来た。私は「ご苦労であったがもう1回やるべし」と言い、彼は「もうテーマがありません」と真顔で答えるのに対し、私は「いいからもう1回やるべし」というやりとりのあと、彼はもう1度テーマの見直しに挑戦し、12〜13億円のコストダウンを達成した。
 10億円まではどこの会社でもやっている。その後の2〜3億円の積み重ねが他を凌駕することとなる。これはもう少しやってもらいたいという書類には、赤のマジックで「百尺竿頭 一歩進めよ」と書いて返しているうちに、この言葉は社内で流行語になっていた。
(9月12日に行われた「トップマネジメント・コース」と「組織変革とリーダーシップ・コース」の合同講義) 



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