第4回 クライアントと共に進化

■クライアントと共に進化

拠り所の変遷

外資系コンサルティング会社、個人事務所、そして日本生産性本部専属経営コンサルタントと、社会人としてこの稼業一筋でキャリアを重ね、今年で34年目を迎えた。企業経営においては常に環境変化への対応が求められる一方で、経営理念をはじめ守り続けなければならないものがある。そうした企業経営を経営コンサルタントとして支援してきた自分自身も、その時々の時代の要請に合わせて変化・進化しながらも、一貫して常に心掛けてきたことがある。本稿ではその内容をお伝えしたい。


全ての利害関係者から中立的ポジションに立ち、大局観と客観的視点を持つこと

企業経営を支える関係者は経営者・管理者・実務担当者・株主・金融機関など、社内外を含めて多岐に渡り、様々な立場から経営に関与している。したがって、経営コンサルタントとして企業の経営課題解決を支援する場面においても、それぞれの見方/考え方から様々な意見や要請を受ける。そうした声に真摯に耳を傾けながらも、局所的な意見に翻弄されたり一部の関係者の意向に偏ったりすることなく、全ての利害関係者から中立的ポジションに立ち、常に大局観を持ってファクトを捉え、客観的な視点からクライアントを支援することを心掛けている。

経営課題の解決に向けて常に当事者意識を持ち、成果にコミットすること

クライアント企業にとって経営コンサルタントは外部専門家ではあるが、あくまでも経営課題の解決にあたる当事者として活動すべきである。そして決して評論家や学者ではなく、実務家として事業の持続的な成長・発展に貢献しなければならない。クライアントは経営コンサルタントを活用するにあたり、お金・時間・パワーといった貴重な経営資源を投下=将来への投資をしている。投資はそれを大きく上回る成果を期待してなされるものである。この点を常に肝に銘じ、期待された以上の成果を生み出すことを使命として活動している。

あくまでも主体はクライアントであり、コンサルタントは支援者に徹すること

常に当事者意識を持って支援活動を進める一方で、企業活動の主体はあくまでもクライアント自身であることを忘れてはならない。経営理念の実現と経営目標の達成というゴールに向けて走るランナーはクライアント企業であり、経営コンサルタントはいわばその伴走者である。クライアントの体力(経営資源や対応力)を十分に考慮した上で、効果的で現実的な走行ルート(アプローチ)や走法(対策)・スピードやペース配分(スケジュール)などを見極めて計画を策定し、実行することが求められる。そして最終的には経営コンサルタントの伴走が無くとも、クライアント自身が持続的な成長に向けて自立自走できる状態に導くことが使命である。


成長のための努力を怠らず、クライアントと共に進化し続けること

企業経営を取り巻く環境変化は、ますます速く激しくなってきている。そうした中で、経営コンサルタントには時代の変化や社会的ニーズの高度化に持続的に対応できるよう、実務経験を積み重ねながら専門性やスキルセットに常に磨きをかける不断の努力が求められる。これまでの経験や実績、既得の知識やスキルなどに甘んじて過信すると、経営コンサルタントとしての市場価値は間違いなく陳腐化し凋落する。
支援活動を通じて、クライアント企業と共に成長し、世の中の進化向上に貢献する。これこそが経営コンサルタントとしての私の原動力である。

コンサルタント紹介

主任経営コンサルタント

村岡 伸彦

東京都立大学経済学部卒業後、アクセンチュア株式会社に20年間在籍。エグゼクティブパートナーとして多くの企業変革プロジェクトを統括。
日本生産性本部経営コンサルタント養成講座を修了、各種事業体の診断指導、人材育成の任にあたる。
(1965年生)

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