中小企業診断士コース

「知っているだけでは意味がなく、実行できて初めて価値がある」としてアウトプットが重視されている

前田 浩光さん(第29期修了生)

<診断士を目指したきっかけ>

 50歳代後半になって、これからの自分の人生を考えたことがきっかけです。その頃の問題意識の中に、なぜ日本の労働生産性はOECD加盟国の中で下位に甘んじているのか、定年を迎えた会社員が十分に活かされていないのではないかという2つがありました。品質保証業務の一環で、工場の生産性・品質向上活動を主催していた時、活動を通じてメンバーが変容する姿に感動している自分に気づいたことが、問題意識と結びつき、これからの人生で、それらの課題に自分が貢献すれば良いのではないかと考えました。経営学や戦略論など、人の営みの仕組みを理解したいと独学する中で、中小企業診断士のことを知っていたことも要因の一つです。

JPCコースを受講した理由と講義内容>

 資格取得にあたっては、年齢的な観点と独立を前提としていたことから、受講期間と実践を重視して選定しました。その中でJPCを受講した理由は、①JPCのコンサルティング事業を担うコンサルタントが講師・インストラクター、②インストラクターと実習生による合宿形式の診断実習、③独立志望の受講生比率の高さの3つです。

 JPCのカリキュラムは、前後半3ヶ月ずつの2フェーズとなっています。前半3ヶ月は、講義・演習でコンサルティングの知識・ノウハウを吸収していきますが、2ヶ月目から診断実習が入り、実戦で確認しながら、理解度や実践力を高めていきます。後半3ヶ月は、3回の実習と合間の1週間半に行うケーススタディ演習(「千本ノック」とも呼ばれています)により、集中的にアウトプットを行い、総合力を高めていきます。

 講義・演習の特徴は、実習やその先にあるコンサルティング業務で役に立つ内容をプロの経営コンサルタントが厳選していることと、「知っているだけでは意味がなく、実行できて初めて価値がある」としてアウトプットが重視されていることです。また、講師は、実際のコンサルティング現場を意識できるように、事例や問いかけを投げ掛けてくれます。例えば、財務・会計では、「自分なりに、わかりやすい言葉で社長に説明できますか?」「自分が社長だったらという視点で、経営課題を考えていますか?」というように、常に問いかけられます。

 診断実習の特徴は、なんと言っても合宿形式で行われることです。多くの卒業生が書いている実習の進め方は省略しますが、とても“贅沢な時間”であったと思います。連続5日間と報告日の6日間、実習先を訪問するため、実習先の負荷も重く、実習先のご理解なくしては成り立たない活動です。インストラクターからは、「高い視座」と「最後まで当社の役に立とうという意思を持てたか?」を問われました。そうであるからこそ、多くの企業に実習を受け入れて頂けているのだと思います。親身に、真剣にご指導頂いたインストラクターには、感謝の念が絶えませんし、一緒に実習を乗り越えた仲間との間に同志の絆が生まれたことは言うまでもありません。

 事務局の存在も忘れてはなりません。日頃から受講生をよくみて頂いていて、声掛けなどもしてくださるのですが、特に実習から帰って、出来事を話す私たちに耳を傾けて頂いている時、“航海から母港に帰ってきた船”のような安心感を覚えたことが思い出されます。これは、後になってJPCを選んで良かったと思った点です。

<現在の活動状況と今後の抱負>

 養成課程修了翌月の202341日付けで、個人事業主として開業しました。現在は、居住地のある神奈川県の中小企業診断協会および業務機会の創出を目的とした神奈川中小企業診断士会に所属し、診断士として活動しています。これまでに士会の補助金PJのメンバーとなり、補助金申請支援に従事しました。専門家派遣や経営改善計画策定支援などの新たな業務にも、公募があり次第、挑戦したいと考えています。

 今後の抱負は、2年後の法人化と伴走支援の直接受注です。JPCを受講するにあたり、卒業後の2年間を守破離の守の期間と定めました。士会での活動を通じてJPCでの学びを地肉化していく段階が守であり、破・離の段階で、法人化と伴走支援の直接受注ができるように精進していきたいと考えています。

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