理念を社内に浸透 安定した収益を継続的に生む仕組みを構築

製造業

オカフーズ(本社:東京・築地)

【日本生産性本部が2012年度から組織・人事制度の構築、月次業績管理の仕組みの高度化支援を行い、近年はマネジャー層による月次での業績等の進捗管理や、プロジェクトテーマごとの中期経営計画の進捗状況確認と検討などを支援している「オカフーズ」の岡孝行 代表取締役に伺いました。】

会社を変えるには一人では難しいと思った。(2011年8月に社長に就任した)当時は組織・人事制度に課題があったので、日本生産性本部に相談した。そこで、(日本生産性本部主席経営コンサルタントの)鍵谷(英二)さんに『一倉定の経営心得』という本を紹介してもらい、それまでの自分の考え方が間違っていたことに気づいた。本に『環境整備をやりなさい』『方針書や経営計画書を作りなさい』『お客様を訪問しなさい』と書いてあったので、その通りに実践した。当初は社内外から反発を受けたが、あるときから『会社はこうあるべきだ』ではなく、『みんなで一緒に幸せになりたい』と意識するようになり、どうしたら社員にやりがいを持ってもらえるのか、社員に幸せになってもらえるのかを考えるようになったら、少しずつ信頼関係が生まれてきた。

業務革新活動などによって、定型業務の時間を全体で4割程度、削減できた。1人当たりの年間実労働時間は、5年前と比べると600~700時間短くなった。一日の所定労働時間を8時間から7.5時間に短縮し、定時退社時間を17時半から17時に早めた。成果の一部は、特別賞与として還元している。

社員約40人の規模なので、社長が直接面談して、対応した方が一番いいと考えた。指示、命令、評価が絡むと、『指示されたことをやらないと評価が下がるのではないか』といった忖度がお互いに働き、仕事に集中できない。部門長は部下の仕事がしやすいような環境をつくることに徹し、問題が起きたときのフォローに回る仕組みに変えた。社員は社外のステークホルダーとの関係構築などの外向きの仕事に集中したら、生産性が向上し、指示待ちも減った。

理念を重視する自身の想いを社内に浸透させるために「方針手帳」を毎年作成し、社員に配布している。全社員が参加する「岡塾」も月1回開催している。経営理念を浸透・実現させるには、あきらめずに根気強く取り組むことが重要だ。社員は、最初は「この人は本気なのか」という目で見ている。また、社員もステークホルダーであり、ステークホルダーへのお役立ちは労働条件の向上など、自分たちにも関わってくることだと伝えた。社員の共感を得るまでには5年ぐらいかかった。

離職率は大きく低下し、ここ数年、社員は誰も辞めていない

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