「改善の楽しさ」を伝え、現場力を強化

製造業

ニッカウヰスキー(本社:東京・南青山)

【日本生産性本部の、製造現場のリーダーを半年間で養成する「現場力向上リーダー育成プログラム」を2017年度から実施している「ニッカウヰスキー」の岸本健利 代表取締役社長に伺いました。】

ここ10年ぐらいはウイスキーの市場は好調で、海外でも日本のウイスキーの評価は高まっているが、少子高齢化や若者の飲酒離れなどの様々な環境変化が起こっているなかで、この流れはいつまで続くかわからない。

そこで、よい状況であるからこそ、社員教育に注力し、従業員のレベルを高めていきたいと考えた。当社のウイスキー事業は平成元年以降、長い低迷の時代が続き、従業員に十分な投資を行うことができなかった。当社には8つの工場があり、約500人の従業員がいるが、まずは現場のリーダー層のレベルを上げることで全体のレベルを引き上げ、環境変化に柔軟に対応できる企業をつくっていきたい。

改善実施状況の成果発表を聞いて、昨年よりは今年の方がレベルは上がってきており、QCストーリーやQC手法がしっかり身についているなと感じた。短時間で一つのテーマについてしっかり成果を上げるという意識も強く感じた。部長や課長などのサポーターがしっかり支援してくれたこともよかった。 改善で一番大事なのは、改善すべきポイントを見つけていく力だ。改善すべきポイントさえつかめれば、おのずと結果はついてくる。日々の仕事の中に改善のテーマはいくらでもある。「なぜこんなことをやる必要があるのか」といった疑問を常に持ち、それを改善のテーマにすればいい。そういう感覚を研修でしっかりつかんでほしいと思っている。

改善活動に期待していることは4つある。

一つ目は労働生産性の向上とともに、女性や高齢者も含め、すべての従業員が楽に仕事ができる職場をつくること。

二つ目は人材の育成だ。まずはリーダー層の育成をしっかりとやっていきたい

三つ目は技術の伝承。技術を持った人材が定年退職でこれから辞めていく。標準化すべきところは標準化し、残された人間でやっていける職場にしたい。

四つ目は風土改革で、これが一番大事だ。最終的には、改善活動が常にどこの職場でもぐるぐる短期間で回っているような職場風土をめざしていきたい。そうなれば、結果として利益が創出され、ひいては従業員の生活も豊かになり、モチベーションが上がって、次の改善に進むという好循環が生まれ、会社は持続的に成長できる。来年以降もこの活動を広げていき、できるだけ多くの従業員に研修を受けさせたい。

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