コミュニティ・エクセレンスによる地域の戦略課題の特定:静岡県中部地域
静岡中部地域におけるコミュニティ・エクセレンス(COE)の試行
当本部では、日本版コミュニティ・エクセレンス(J-COE)の試行展開の一環として、2024年度に静岡中部地域におけるコミュニティ・プロフィールの作成を支援しました。
- ※コミュニティ・エクセレンス(Communities of Excellence)とは
地域が抱える複雑な社会課題を解決するためのフレームワークであり、人材確保や事業承継、マーケットの縮小などの社会課題化した経営課題の解決に資する手法です。顧客満足度の向上に資する優れた経営システムを有する企業を表彰する「マルコム・ボルドリッジ国家品質賞(MB賞)」(米国)のフレームワークをベースとしており、米国ではその有効性が確認されています。米・オハイオ州トレドでは、医療企業プロメディカが屋台骨となってCOEを推進。コミュニティの共通目標として、健康、教育、芸術・文化、労働力、経済発展の5つの分野に焦点を当て、リーダーシップの枠組みと短期的な目標を策定し、地域全体の発展を目指しています。
取り組みの概要

静岡中部地域では、地域の事業者・団体・教育機関等が主体となって、コミュニティ・エクセレンスの端緒となるコミュニティ・プロフィールの作成に取り組みました。
活動は平日の夜間に行われ、計7回のミーティングは、コミュニティ・エクセレンス・フレームワークの「問い」に対する回答を各組織のメンバーが持ち寄った上で、チームとしての共通認識を検討する形を基本に進められました。
ミーティング | 主な内容 |
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第1回 |
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第2回 |
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第3回 |
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第4回 |
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第5回 |
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第6回 |
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第7回 |
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参画組織 |
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(主な役割)
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事務局 |
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(主な役割)
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主な成果
ミーティングの中では、それぞれのメンバーの地域における経験や、各組織の事業領域から見た際の静岡中部地域の特徴について議論が交わされたほか、気候や地域の名産品、風土から見た地域の優位性についてのユニークな視座が提供されました。
取り組みの成果物はコミュニティ・プロフィールとして取りまとめられ、今後、設定した戦略課題に基づき、課題の解決に向けた具体的な行動を検討中です。
また、各組織において、コミュニティ・プロフィールを踏まえた事業活動を展開していくことも期待されています。

参加メンバーによるコメントからの示唆
COEは地域コミュニティに関する探索的なプロジェクト活動であり、参加者が試行錯誤しながら理解を深めていくプロセスです。
参加メンバーからは、行政の調査とは異なり、住民視点での現状や課題がよく可視化されたといった意見や、各アクターの目線を揃えて行動できることの有効性を指摘する意見、また、地域の姿を再認識することが出来たといった意見や、活動を通じて地域に対する愛着をさらに高めることが出来たといった意見もありました。
さらに、参加メンバーから示唆されたメリットとして、多様な視点を持つメンバーが協働し、コミュニティとしての在り方や目標を共に模索することで、より豊かな議論が提起されたことが挙げられます。コミュニティ・プロフィールの作成過程自体にも意義があることが確認できました。
お問い合わせ先
日本生産性本部 顧客価値創造センター J-COE事務局
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