調査・研究新入社員意識調査

平成29年度 新入社員のタイプ

平成29年度 新入社員のタイプは「キャラクター捕獲ゲーム型」

2017年3月23日
公益財団法人 日本生産性本部

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公益財団法人 日本生産性本部の「職業のあり方研究会」(座長 ライズコーポレーション株式会社 代表取締役 岩間 夏樹)は23日、平成29年度の新入社員の特徴を発表しました。「職業のあり方研究会」は、若年者の就労支援や教育の専門家などで構成され、多くの企業や学校等の就職・採用関係者の協力を得ながら、新入社員の特徴や就職・採用環境の動向などについて調査研究を行っています。

○平成29年度新入社員のタイプについて

「キャラクター捕獲ゲーム型」

キャラクター(就職先)は数多くあり、比較的容易に捕獲(内定)出来たようだ。一方で、レアキャラ(優良企業)を捕まえるのはやはり難しい。すばやく(採用活動の前倒し)捕獲するためにはネット・SNSを駆使して情報収集し、スマホを片手に東奔西走しなければならない。必死になりすぎてうっかり危険地帯(ブラック企業)に入らぬように注意が必要だ。はじめは熱中して取り組むが、飽きやすい傾向も(早期離職)。モチベーションを維持するためにも新しいイベントを準備して、飽きさせぬような注意が必要(やりがい、目標の提供)。

コンピュータゲームといえばインドアのものだが、昨夏はスマホ片手に外に出て歩き回るゲームが大流行した。採用が増え、氷河期から売り手市場へと変化しても、就職活動は学生にとって大きな負担だ。リクルートスーツを着てスマホで情報収集しながら説明会から説明会へ、インターンシップからインターンシップへと歩き回る姿は、このゲームに熱中した人々の姿を思い起こさせる。企業を選ばなければ比較的容易に内定出来た学生が多かったようだが、しっかり自己分析や企業研究をした上での就職でなければ、ミスマッチの可能性が高まる。勢い余って危険地帯(ブラック企業)に入ってしまわないように注意も必要だ。

一方で誰もが求める優良企業の内定を獲得する難しさは、あたかも「レアキャラ」(優良企業)の捕獲のようだ。レアキャラを探し求める情報収集能力と、どこへでも出向くフットワークのよさを是非仕事でも発揮してほしい。ただし、このゲームは電池や通信量がかさむのでやりすぎには注意が必要だ(ワークライフバランス)。世界中で取り組まれたこのゲームのように、ボーダーレスに世界を股にかけて活躍して欲しい。

○平成29年入社組の就職活動の特徴 

昨年から引き続き今年も新卒の採用に積極的な企業が目立ち、「大学等の卒業予定者の就職内定率」(厚生労働省・文部科学省)では2月1日時点で90.6%と昨年の87.8%から2.8ポイント増加した(大学(学部)の場合)。スケジュールが前倒しになった影響もあるが、リーマンショック前の水準を上回り、2000年以来最も高くなった。中堅、中小企業を中心に採用予定数を達成できない企業もあり、採用活動に工夫が求められる状況もあった。就職先の条件として異常な長時間勤務やパワハラのないことを重視する傾向が見られた。しかし、面接の場でこのようなことを質問することがはばかられる風潮が今なおあり、就活生を苦労させた。 

当本部で実施している新入社員意識調査(6月~7月発表予定)は売り手市場であるか、買い手市場であるかで数値が大きく変化する項目があり、どのような変化が生じているか注目される。