調査・研究新入社員意識調査

平成26年度 新入社員のタイプ

平成26年度 新入社員のタイプは「自動ブレーキ型」

2014年3月26日
公益財団法人 日本生産性本部

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公益財団法人 日本生産性本部の「職業のあり方研究会」(座長 ライズコーポレーション株式会社 代表取締役 岩間 夏樹氏)は、平成26年度の新入社員の特徴をまとめた。「職業のあり方研究会」は、若年者の就労支援、教育の専門家などで構成され、多くの企業や学校等の就職採用関係者の協力を得ながら、その年の新卒入社者の特徴や就職採用環境の動向などについて調査研究を行っている。

平成26年度 新入社員のタイプについて

知識豊富で敏感。就職活動も手堅く進め、そこそこの内定を得ると、壁にぶつかる前に活動を終了。何事も安全運転の傾向がある。人を傷つけない安心感はあるが、どこか馬力不足との声も。どんな環境でも自在に運転できるようになるには、高感度センサーを活用した開発(指導、育成)が必要。

  • 「自動ブレーキ型」について

    自動車のCMでよく見るようになった自動ブレーキ(衝突被害軽減ブレーキ)装置。高感度センサーで障害物を敏感に検知して自動的に車を停止させ事故を未然に回避する。そのハイテクは、情報収集能力に長け、頭の回転の速い若者像をほうふつとさせる。車もかつては野性的なパワーを競ったものだが、昨今は、エコロジーと洗練された自動制御能力がセールスポイントとなっている。しかし上の世代からすればいささか物足りない印象を持つようだ。新入社員についても、失敗を恐れずに「あたってくだけろ」の精神でパワー全開、突っ走って欲しいとの声もある。

    新入社員の皆さんには、背伸びをせずに、ローリスク・ローリターンの安全運転もいいが、リスクを恐れずに、前向きに挑戦する失敗から学ぶ経験もしてほしい。

    なおCMの末尾に表示されるように、自動ブレーキ(衝突被害軽減ブレーキ)装置は「完全」を保証する装置ではない。使う人がその特性を十分に考慮し、上手に活用して初めて真価を発揮する。新入社員も同様に、先を読む能力(高感度センサー)を活かした指導、育成(開発)をすることによって、衝突を回避するだけではなく、適切に加速(スピード自動調節)をしながら、どんな環境でも運転をしていくことができるようになるだろう。

  • 平成26年入社組の就職活動の特徴

    企業業績が徐々に回復する中で新卒採用数も増加しつつある。2月1日時点の大卒者の就職内定率は、82.9%と3年連続で回復した(前年比+1.2%)。「時間短縮型就活(企業による採用広報活動の解禁日が10月から12月へと遅くなり、就職活動期間が2ヶ月間短縮した)」の第2期生となり、導入一回目の昨年に見られたスケジュールの混乱は企業側、学生側のともにあまり見られなくなった。

    昨年は「ブラック企業」問題が社会的関心を集めたこともあり、就職先企業の情報収集に熱心になった就活生もいた。勤務時間の実態、コンプライアンスの状況などを気にして疑心暗鬼になる場合もあったようだ。