調査・研究新入社員意識調査

平成25年度 新入社員のタイプ

平成25年度 新入社員のタイプは「ロボット掃除機型」

2013年3月26日
公益財団法人 日本生産性本部

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公益財団法人 日本生産性本部の「職業のあり方研究会」(座長 ライズコーポレーション株式会社 代表取締役 岩間 夏樹氏)は、平成25年度の新入社員の特徴をまとめた。この「職業のあり方研究会」は、学識経験者などで構成され、多くの企業、学校等の就職、採用関係者の協力を得ながら、その年に新卒入社者の特徴や就職、採用環境の動向などについて調査研究を行っている。

■平成25年度 新入社員のタイプについて

「ロボット掃除機型」

一見どれも均一的で区別がつきにくいが、部屋の隅々まで効率的に動き回り家事など時間の短縮に役立つ(就職活動期間が2か月短縮されたなかで、効率よく会社訪問をすることが求められた)。

しかし段差(プレッシャー)に弱く、たまに行方不明になったり、裏返しになってもがき続けたりすることもある。能力を発揮させるには環境整備(職場のフォローや丁寧な育成)が必要。

  • 平成25年入社組の就職活動の特徴 ──「時間短縮型就活の第一期生」

    就職、採用活動の早期化傾向に対する社会的批判を受け、平成23年の日本経団連の申し合わせ(新倫理憲章)によって、就職活動期間(企業採用のための広報活動の解禁日)が大学3年次の10月1日から12月1日へと2か月遅くなった。

    今春新入社員となる若者たちはその第一期生にあたる。

    今日、我が国の若年雇用を巡る状況は、リーマンショック前の就職内定率の水準には達してないものの、2年連続で就職内定率は改善傾向にあり、今春卒業予定の大学生では前年同期を1.2ポイント上回る81.7ポイントまで回復するなど(平成25年2月1日現在、文部科学省、厚生労働省調べ)明るい兆しが見えつつある。

    こうしたなか、当初は就職活動期間が2か月短縮されたことで、業界研究に十分な時間が費やせないなどの準備不足や、スケジュールが慌ただしくなることなどが懸念されたが、実際には学生たちから秋に行われる文化祭でのサークル活動やスポーツ大会、文化行事への参加が可能となり、一生懸命やり遂げることができたなどポジティブな声が寄せられている。

    これが従来通り10月1日解禁では中途半端なかたちで終わってしまうケースもあっただろう。また、大学関係者からも本来のゼミ活動に時間を割くことが出来たという肯定的な評価が聞かれ始めている。何より就職活動のスタートにあたって学生たちが企業のエントリーシートや説明会への参加を通じ「自分が何かをやり遂げた」という事実を自信をもって表現できることは大きい。新倫理憲章の影響や効果は一年では明確に判断できないが、学生当事者にとって、2か月間の時間の短縮は影響が大きかったと思われる。

  • 「ロボット掃除機型」について

    ロボット掃除機とは自走式の掃除機の総称である。様々なプログラミングに従って自分で動き回り、時間がくると自動的に動き始め、掃除が済むと自分で充電装置にドッキングする機能もあったりする。

    機械とはいいながら、その動きはどこか人間的で愛嬌がある。いかにも「頑張って仕事しています」といったニュアンスの動きをする。また、使っているうちには奇妙な行動を見ることもある。多くの人が経験するのが行方不明である。たいていはソファーの陰やベッドの下で立ち往生しているのだが、時には段差から転落して、裏返しになった亀のようにもがいていたりする。活用するためには、ある程度、部屋が片づいていることが必要で、雑然とした環境では能力を発揮しにくい。新卒新入社員を採用した企業にあっては、育成のための研修プログラムを工夫する、組織として最初からプレッシャーを与えずコミュニケーションに配慮する、新入社員を孤立させないなど、職場として受け入れ環境を整え新人を育成していって欲しい。