調査・研究新入社員意識調査

平成24年度 新入社員のタイプ

平成24年度 新入社員のタイプは「奇跡の一本松型」

2012年3月27日
公益財団法人 日本生産性本部

調査研究・提言活動 資料ダウンロード

公益財団法人日本生産性本部の「職業のあり方研究会」(座長 ライズコーポレーション株式会社 代表取締役 岩間 夏樹氏)は、平成24年度の新入社員の特徴をまとめた。この「職業のあり方研究会」は、学識経験者などで構成され、多くの企業 学校等の就職 採用関係者の協力を得ながら、その年に新卒入社者の特徴や就職 採用環境の動向などについて調査研究を行っている。

■平成24年度 新入社員の特徴(ポイント)

  • 困難な就職活動の中での「頑張り」

    大卒予定者の就職内定率が過去3番目に低い(80.5%)という厳しい状況のなか、就職戦線を乗り越えてきた若者たちの頑張りを賞賛したい。

  • 若者たちの就業観が垣間見えた~ボランティア活動を通じて

    多くの若者たちが復興へのボランティア活動などを通じて、他人の気持ちに寄り添うことや、人間関係の「絆」の大切さを認識し、チームや組織としての互助的な協力関係を築くことの大切さを実感したようだ。一般的な見解と異なり、昨今の若者には潜在的に他者への触れ合いや協同を通じて社会の役に立っていきたいという気持ちがあることがわかる。

  • 若者たちはこれからの時代の「変化」の原動力

    就職氷河期以降、若者たちは、既存の会社のありようにいかに自分を合わせるかということに汲々としているようにみえる。しかし既存のものだけではなく「想定外」の事態に遭遇することも今回の大震災の経験から学んだ。柔軟な発想や新しい価値観を取り入れ、社会や企業の中で「変化」という風を吹かせる原動力となって欲しい。

■今年度のネーミング

東日本大震災にも耐えて生き残った「奇跡の一本松」の話は、復興に向けて多くの人に勇気を与えてくれた。今年の新入社員についても、前例のない厳しい就職戦線を潜って残った頑張りを称えたい。これからの人生においても自然災害をはじめ「想定外」の事態に直面することもあろうが、その困難を乗り越えていくことが大いに期待される。今のところは未知数だが、先輩の胸を借りる(接木)などしながらその個性や能力(種子や穂) を育てて行けば、やがてはどんな部署でもやっていける(移植)だろうし、他の仲間とつながって大きく育っていく(松原)だろう。