調査・研究新入社員意識調査

平成19年度 新入社員のタイプ

平成19年度 新入社員のタイプは「デイトレーダー型」

2007年3月26日
公益財団法人 日本生産性本部

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新入社員タイプの命名は、昭和48年度以来、平成14 年度まで30 年間にわたり、坂川山輝夫氏(現代コミュニケーション・センター所長)が命名されてこられたが、平成15年度から財団法人 社会経済生産性本部の「職業のあり方研究会」(座長:森 清 山野美容芸術短期大学 名誉教授)が引き継ぎ、命名及び発表を行っている。学識経験者などで構成される当研究会では、多くの企業・学校等の就職・採用関係者の協力を得て、本年4 月の新卒入社者の特徴を検討し、タイプの命名を行ったので、ここに発表する。

平成19年度 新入社員のタイプについて

「デイトレーダー型」

景気の回復で久々の大量採用だったが、氷河期前とは異なり、細かい損得勘定で銘柄(会社)の物色を継続し、安定株主になりにくい。売り手市場だっただけに、早期転職が予想される。ネットを駆使した横のつながりで情報交換が活発だが、情報に踊らされない慎重さも必要。

(解説)

景気の回復を背景に今年は大量の新入社員が誕生した。平成不況以前のような華々しい入社式を挙行した企業も多いだろう。しかし、これを期に平成不況以前のような「企業戦士」型の人材を育てようと虎視眈々と待ち構えていると、その期待は裏切られる。就職氷河期後の新入社員は、就職した会社とともに育っていこうとは考えず、常に、よい待遇、よい仕事を求めて「銘柄の乗り換え」つまり「転職」を目論む傾向がある。その意識は昨今のネット上の個人投資家に近い。ネットを通じた横のつながりで情報交換をするのもいいが、一人前の働き手になるにはそれなりの時間がかかることも新入社員たちには忘れないでほしい。自分さがしも大事だが、まずは目の前の仕事にじっくり取り組むことを期待したい。

デイトレーダー;一日に何回もの株取引を行い、細かく利益を確保しようとする売買手法のことをデイトレードといい、デイトレードをする人のことをデイトレーダーと言う。場合により巨額の利益を得られるなど即時性・ゲーム性・依存性が非常に強い。