調査・研究新入社員意識調査
第14回 2003年度 新入社員意識調査
2003年4月25日
公益財団法人 日本生産性本部
調査研究・提言活動 資料ダウンロード
財団法人 社会経済生産性本部では、本年も「若者意識アンケート」を実施し、集計分析を致しました。当調査は、1990年より新入社員の意識を見るべく、継続的に行っているものです。
つきましては、別紙の通り、本調査の要旨をご報告申し上げます。次世代を担う若手従業員についての情報として、ご活用頂けますれば幸甚に存じます。
- 1.主要調査結果:
- 能力主義的な給与体系や昇格を肯定する意見が約7割を占める。反面、昨年に比べ、年功的な給与体系や昇格を望む意見も増加した。
また、残業が少なく、自分の趣味などに時間が使える職場を望む声も高水準にある。 - 「転職否定派」、「今の会社に一生勤務する」が、過去最高。(本調査開始以来)
就職先を決めた理由を「仕事のやりがい」とする意見が7割を超えるなか、「給料」とする回答が半減、「通勤の便利さ」が倍増。
職場より友人とのつきあいを優先する回答が5年ぶりに上昇。
内定の出た時期は、2002年夏がピーク。2002年春~秋合計で80%。 - 独立起業意識弱く、外資系や海外等の職場での就業意識も減少
- 中堅・中小企業での大学院卒採用が増加傾向。(属性データ)
- 能力主義的な給与体系や昇格を肯定する意見が約7割を占める。反面、昨年に比べ、年功的な給与体系や昇格を望む意見も増加した。
- 2.調査方法
2003年3~4月に実施した、財団法人社会経済生産性本部(会長代行 渡里杉一郎)主催の新入社員研修受講者に「若者意識アンケート」を配布し、745通の有効回答を得た。(回収率 100%)
- ※各設問の未回答者分は、削除してあります。
- 3.添付書類
本調査結果要旨(本紙含め6枚) →本年度の主だった調査結果をまとめております。
集計表(10枚) →全ての設問のデータを掲載しております。
属性(1枚) →調査対象者の属性(性別、年齢、など)を掲載しております。計17枚
第14回 2003年 新入社員 意識調査 要旨
- ※詳細は添付の「集計表」(全結果掲載)をご覧下さい。ページ数は「集計表」のページ番号となっております。
- 1.能力主義志向の給与体系・昇格は高水準にあり、能力や実績が給与や昇格に反映されるシステムを望む声が強い反面、年功的なシステムを希望する声も増加した。
労働時間や残業に関する意識では自分の趣味に使う時間、自分の裁量の多いシステムを支持する回答が増加。
アフター5での職場のつきあいよりも、友人とのつきあいを優先する回答が増加。- 「各人の業績や能力が大きく影響する給与システム」を望む者は減少したものの高い支持を得ている。
→68.0%(2002年比 -5.3ポイント)(P3 Q6(d))
反面、「業績や能力よりも、年齢・経験を重視して給与があがるシステム」を望む者も増加。
→32.0%(2002年比 +5.3ポイント)(同上) - 「仕事を通して発揮した能力をもとにして評価が決まり、同期入社でも昇格に差が付くような職場」を望む者も高水準だが減少。
→70.4%(2002年比 -4.2ポイント)(P4 Q6(h))
反面、「年齢や経験によって、平均的に昇格していく職場」を望む者は増加。
→29.6%(2002年比 +4.2ポイント)(P4 Q6(h)) - 「残業は多いが、仕事を通じて自分のキャリア、専門能力が高められる職場」を望む者も減少。
→38.0%(2002年比 -3.5ポイント)(P3 Q6(e))
反面、「残業が少なく、平日でも自分の時間を持て、趣味などに時間が使える職場」を望む者は増加。
→62.0%(2002年比 +3.5ポイント)(P3 Q6(e)) - 「職場の人たちで飲みに行くことになりました。・・・友人との飲み会を優先する」とする者が5年ぶりに増加。
→44.6%(2002年比 +6.6ポイント)(P1 Q5(c))
- 「各人の業績や能力が大きく影響する給与システム」を望む者は減少したものの高い支持を得ている。
- 2.「就職活動が厳しかった」とする回答が急増し、「条件良くても転職しない」、「今の会社に一生勤める」とする意見の増加との関連が伺える。
「就職活動を始めた時期」は、2002年春が最も多く、「内定の出た時期」は、2002年夏が最も多い。- 「就職活動は、思っていた以上に厳しかった」とする者が、増加。(過去最高)
→56.7%(2002年比 +10.3ポイント)(P9 Q10(a)) - 「条件の良い会社があれば、さっさと映る方が得だ」に対して、「そう思わない」とする者が急増(過去最高)。
→69.0%(2002年比 +6.5ポイント)(P5 Q7(e)) - 「今の会社に一生勤めようと思っている」者が増加。
→30.8%(2002年比 +3.5ポイント)(P8 Q9(c)) - 「就職活動を始めた時期」は1年前(2002年春)が最も多く、1年以上前(2001~02冬)と合わせると71.5%になる。(P9 Q10(b))
- 「内定の出た時期」は2002年夏が最も多いが、2002年春と2002年秋も20%を超え、2002年春~秋を合わせると80%になる。(P10 Q10(e))
- 就職活動で「訪問した会社数」は、6社以上が22.3%に対して、内定社数は1社が64.1%となっており、「厳しい就職活動」であったことが伺える。
(P9 Q10(c)およびQ10(d)) - 「就職先選びに際し、会社に対して求めたことの優先順位」は、「仕事のやりがい」が73%で例年通り圧倒的に高いが、「給料をたくさんもらえること」を第1位に回答した者が6.7%と半減(2002年比 -5.9ポイント)し、「通勤に便利なこと」が9.5%と倍増(2002年比 +5.3ポイント)した。(P10 Q10(g))
- 「就職活動は、思っていた以上に厳しかった」とする者が、増加。(過去最高)
- 3.「将来への自分のキャリアプランを考える上では、社内で出世するより、自分で起業したい」とする者、「海外で働きたい。もしくは日本人以外の人も多い職場で働きたい」とする者は少なく、保守的な傾向が伺える。
- 「将来への自分のキャリアプランを考える上では、社内で出世するより、自分で起業したい」とする者
→31.5%(今回初調査 P6 Q7(i)) - 「海外で働きたい。もしくは日本人以外の人も多い職場で働きたい」とする者
→45.7%(2002年比 -2.8ポイント、調査開始以来最低)(P6 Q7(j))
- 「将来への自分のキャリアプランを考える上では、社内で出世するより、自分で起業したい」とする者
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