調査・研究

「鉄道会社に関する障害者の満足度調査」結果

民間事業者の「合理的配慮の提供」の義務化に向けて

2023年6月13日
公益財団法人 日本生産性本部

公益財団法人日本生産性本部(本部:東京都千代田区、理事長:前田和敬、以下「日本生産性本部」)と、株式会社ミライロ(本社:大阪府大阪市、代表取締役社長:垣内俊哉、以下「ミライロ」)は、613日に「鉄道会社に関する障害者の満足度調査」の結果を公表いたしました。

本調査は、「事業者による障害のある人への合理的配慮の提供」の20244月からの義務化に向けて、民間事業者の「合理的配慮の提供」に関する課題や今後の取り組みの方向性等を提起することを目的として、日常生活や地域社会と密接に関係し公共性の高い鉄道会社について取り上げ、試行的に顧客満足度調査を実施したものです。
今回の調査は、日本生産性本部(サービ産業生産性協議会)実施のJCSI(日本版顧客満足度指数)調査の調査項目を参考に設計しました。ミライロに登録する障害のあるモニター(ミライロモニター)またはその関係者を対象に、2023 12 月にインターネットを通じて実施し、1,695人から回答を得たものです。主な特徴は以下の通り。

1.障害種別では、視覚障害者の顧客満足の評価が高く、聴覚障害者の評価が低い。

・障害種別の顧客満足の評価は、視覚障害者(全盲)の評価が高く、聴覚障害者の評価が低くなった。UD(ユニバーサルデザイン)意識(従業員の障害者対応に関する知識や適切な対応やコミュニケーション)の設問においても、聴覚障害者の評価が低い。また、UD環境(安心して利用するのに必要なスペース、動線、設備、備品等の整備)においては、視覚障害者(弱視)の評価が低くなった。


2.福祉乗車証を利用する回答者の顧客満足の評価が高い。

・福祉乗車証を利用する回答者は、知覚価値(コストパフォーマンス)が高くなり、満足度も高くなった。


3.鉄道会社別では、地下鉄(都営地下鉄、Osaka Metro)の評価が高い。

・福祉乗車証の利用の回答者が多い、都営地下鉄の評価が特に高くなった。その他、阪急電鉄がJCSI調査と同様に評価が高い。


4.UD(ユニバーサルデザイン)設問の評価と顧客満足の間には相関がみられる。

UD設問の評価と顧客満足の間には相関がみられる。UD設問のうち、UD意識設問との相関が特に高くなった。

5.「生活満足」(生活を豊かにすることに役立っている)で高い評価の割合が大きい。

・「生活満足」(当該サービスの利用が、あなたの生活を豊かにすることに役立っている)で高い評価をする割合がJCSI調査と比較して大きい。

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