「生産性」は何故大切なのか
このたび、生産性研究センター所長に就任しました宮川です。私は、今世紀に入ってからずっと生産性を中心とした研究や情報発信を行ってきました。最近になって「生産性」の向上が注目されていますが、この考え方は決して新しいものではありません。そもそも日本生産性本部が創立されたのは、戦後間もない1955年であり、復興のために、広く生産性の向上を普及させることを目的の一つとしていました。実際その考え方は、創立以降10年以上にわたる日本経済の高度成長によって実現されています。
21世紀に入ってから日本経済は長期停滞に陥り、同時に生産性の伸びも十分ではありません。代表的な生産性の概念は、付加価値を労働の投入量で割ったものです。生産性の低迷というのは、労働者の懸命な働きが、十分付加価値の増加につながらない仕組みが日本経済や日本の企業に内在していることを示しています。再び生産性を向上させるためには、多くの労働者の働く意欲が、付加価値の増加に結実する仕組みを考えていかなくてはなりません。日本生産性本部が創立されてから70年以上が経過し、日本の産業構造も多様化すると同時に、生産性に関する研究も広がりを見せています。こうした経済や経済学の変化を踏まえて、できるだけわかりやすく生産性向上の必要性について発信をしていきたいと思っています。
公益財団法人日本生産性本部 生産性研究センター所長
(学習院大学名誉教授)
宮川 努