第17回 相互協力でアジアの生産性向上を―「APO」発足

連載「JPC 70th クロニクル」⑰ 相互協力でアジアの生産性向上を

「アジア生産性国際会議」を提唱

静岡県下田市で開催されたAPOのトップセミナー
(1963年10月16日)。

日本生産性本部は創設初年度から多くの海外視察団を欧米に派遣した(連載第5回、第6回参照)。そしてアジアでは真っ先に生産性運動に邁進。そんな日本の姿に刺激を受けたのがアジア諸国だった。
1956年秋、インドから生産性視察団(9人)、58年1月には台湾から紡織視察団(12 人)を迎え、それぞれ交流。59年1月、日本生産性本部は、アジアでの生産性運動の連携について討議する「アジア生産性国際会議」の開催を提唱した。
提唱に応じたのはビルマやカンボジア、セイロン、インド、ネパールなど13カ国。同年3月、提唱国の日本を加えた14国の代表による同国際会議が東京で開かれた。

視察団、研修団の受け入れ

同年10月、第1回アジア生産性委員会を東京で開催。61年4月にはフィリピン・マニラで設立署名会議が開かれ、「相互の協力によってアジアの生産性を向上する」という大目的の下、「アジア生産性機構」(Asian Productivity Organization:APO)の発足に調印した。同年5月11日、東京で第1回理事会を開催。加盟各国の政府ベースの国際機関としてAPOは正式発足した。当初の加盟国は韓国、中華民国(台湾)、フィリピン、タイ、インド、パキスタン、ネパール、日本の8カ国・地域だった(現在は21カ国・地域)。
アジア諸国からの視察団の受け入れが本格化したのは59年度から。59年度にインド4 チーム、フィリピンと台湾各1チーム。60年度11チーム、61年度15チーム、62年度16チームと続いた。
長期研修団の受け入れも60年度から開始。同年度は台湾から10週間の生産性視察団を2回にわたって受け入れ、61年度はAPO編成の長期研修団(インドなど6カ国から14人)を受け入れた。
APOのミッションは「生産性向上を通じて、アジア太平洋地域の持続可能な社会経済の発展に貢献する」、ビジョンとして「アジア太平洋地域における包括的でイノベーション主導の生産性向上の実現」を掲げる。(※国名は当時)

【参考文献】『生産性運動50年史』(社会経済生産性本部、2005年)

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