「乗務社員採用の取り組み事例」 両備ホールディングス 常務執行役員 バス・鉄軌道ユニット長 大上真司氏

バス・鉄軌道ユニット長 大上真司氏
日本生産性本部は2025年1月24日、第98期「人事部長クラブ」の1月例会を都内で開催(オンライン併用)した。当日は、「宇宙一本気(マジ)な乗務社員採用の取り組みと今後」をテーマに、両備ホールディングスの大上真司・常務執行役員バス・鉄軌道ユニット長が講演した。
「乗務社員200人を採用するプロジェクト」をスタート
運輸交通業における乗務社員採用不足の問題は、「2024年問題」で社会課題化しているが、岡山県を中心に国内外で事業展開を行っている同グループの運輸交通事業部門では、バスやトラック、タクシーのドライバーなどの乗務社員200人を採用するプロジェクトを2023年6月に開始した。
年間で1000人を超える応募! 216人の採用に結びつく
ベアと定期昇給を合わせ5%以上の賃上げを2年連続で実施したほか、インパクトのあるテレビCMの集中展開、年間で873回の就職説明会の実施、バスやタクシーなどの運転見学会の実施、待遇・処遇の改善(当面は地域の平均年収よりも100万円高い水準を目指す)などを行った結果、年間で1000人を超える応募があり、216人の採用に結びついた。
大上氏は、乗務社員の採用で心がけたこととして、経営と現場、事業部門、人事、広報の20人のプロジェクト体制で予算を確保して取り組んだことや、既存社員の満足度を高める施策を実施し、社員の定着を促進したこと、他業界から乗務経験のない若手の採用を進めたこと(経験者の採用は2割程度)、「楽しそうな場所に人は集まる」ことから、明るく、楽しく、元気よく採用活動を進めたことなどを挙げた。 最近では、路面電車の運転士とバスの運転手の両方に勤務でき、認定後は毎月5万円の二刀流手当を支給する「二刀流乗務社員」を募集し、応募が殺到しているという
人材確保は事業継続に関わる本質的な経営課題
大上氏は、「人材確保は事業継続に関わる本質的な問題であり、経営で取り組むべきことだ。そのためにはしっかりと課題を把握し、戦略を練って、必要十分な資源を投下することが必要だ」と強調した。
第98期「人事部長クラブ」は、「人を惹きつける会社とは」を統一テーマに来年2月まで開催。
対象は、人事・労務、総務、人材、経営企画等のエグゼクティブ。
問い合わせは同本部コンサルティング部、電話 03(3511)4031まで。
◇記事の問い合わせは日本生産性本部コンサルティング部、電話03-3511-4060まで
お問い合わせ先
公益財団法人日本生産性本部 コンサルティング部
WEBからのお問い合わせ
電話またはFAXでのお問い合わせ
- TEL:03-3511-4060
- FAX:03-3511-4052
- ※営業時間 平日 9:30-17:30
(時間外のFAX、メール等でのご連絡は翌営業日のお取り扱いとなります)