将来の経営幹部育成に向けた「選抜人材教育」に関する調査
2009年12月15日
公益財団法人 日本生産性本部
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財団法人 日本生産性本部はこの度、「将来の経営幹部育成に向けた『選抜人材教育』に関する調査」結果を発表した。この調査は2004年から実施しており、幹部育成に向けた選抜人材教育の現状と課題を明らかにすることを目的としている。今回の調査では、これまでの「教育研修担当者対象調査」に加え、初めて「経営トップ対象調査」を実施した。なお、本調査の結果と、関連事例の紹介をテーマに2010年1月20日に「次世代の経営幹部 選抜・育成セミナー」を開催する。
- 1.経営トップの約7割が、将来の幹部育成を目的とした選抜人材教育に「大いに関心がある」と回答。
「大いに関心がある」68.1%「やや関心がある」27.6%と、将来の幹部育成教育に対する経営トップの関心の高さを印象づける結果となった。教育研修担当者対象の調査でも「大いに関心がある」53.8%「やや関心がある」39.3%と、このテーマへの関心の強さは共通。
- 2.約6割の企業が選抜人材教育を実施。実施方法は「社内研修と社外プログラムへの派遣を併用」が5割。
選抜人材教育の実施企業は、2007年の58.7%から0.2ポイント低下したものの、58.5%とほぼ同じ水準。経済状況の停滞感にもかかわらず、選抜人材教育はほぼ定着した観がある。また、選抜人材教育の形態については「社内での集合研修」27.5%「社外プログラムへの派遣」21.7%「社内・社外の両方」50.7%と、5割を超える企業が社内外の組み合わせでの実施。
- 3.次世代の経営幹部となる人材が現時点で「不足している」と感じている経営トップは80.9%、教育研修担当者では76.1%。
上記に関連して、経営幹部の選抜の土台となる、管理職への登用についての質問も行った。その結果、「管理職になりたがらないミドル層が増えている」という質問に対し、経営トップ調査は「そう思う」4.4%「ややそう思う」35.1%、教育担当者調査では「そう思う」9.6%「ややそう思う」40.0%となっており、将来の経営幹部選抜の土台にも変化の兆しが見られる。
- 4.人材育成に対する経営トップの方針は「将来のコア人材へ重点的に配分」が61.2%「できるだけ多くの人に平等に提供」が24.1%。
経営トップ調査では48.2%が「選抜人材教育」を過去に受けた経験があり、その9割が「今の自分や企業経営に役に立った」と回答。経営トップが自らの経験から、コア人材の育成を重視していることがうかがえる。その一方、研修担当者調査では、年間の教育研修費用に占める「選抜人材教育」の割合については「10%以下」が46.9%を占めている。
- 5.経営トップの86.2%が「業績に関わらず人材育成投資を継続すべき」と回答。
人材育成に対する考え方について、業績が厳しいときは人材育成への投資を削減することもやむを得ないとの回答が12.9%にとどまり、8割を超える経営トップが教育の継続を志向している。その一方で、教育担当者調査では、今年の教育研修予算について「やや減少した」26.7%「大きく減少した」22.4%という結果であり、トップの思いとは別に、現実の教育予算は減額を余儀なくされている現状が浮かび上がっている。
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