調査・研究その他の調査研究・提言

企業の社会的責任(CSR)調査結果

2005年3月11日
公益財団法人 日本生産性本部

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財団法人 社会経済生産性本部では、1989年に企業倫理プロジェクトを発足以来、わが国で初めての企業倫理調査である「第1回マネージングビジネスエシックス国際比較調査」の実施をはじめとした様々な調査研究、普及啓発、コンサルテーションなどの活動を企業倫理領域で展開して参りました。

この度は、当本部マーケティングソフト研究所(所長 村田昭治慶應義塾大学名誉教授)においてCSRと経営戦略、マーケティング、企業倫理との関係を探り、CSRを志向した企業経営のあり方と将来展望を考察することを目的に、「企業の社会的責任(CSR)調査」を実施し、集計分析を致しました。つきましては、本調査の要旨を企業経営とCSRの関係を明確にしていくための情報としてご活用いただければ幸甚に存じます。

  1. 1.主要調査結果
    • 8割弱の上場企業が既にCSRに取り組む。海外上場や外国人株主比率の高い企業の取組み比率が高い。
      全体的に見るとCSRの定義、位置づけなどの整理・体系化がこれからの課題であるが、海外上場企業や外国人持ち株比率33%以上の企業、従業員3001人以上の企業では相対的に取組みが進んでいる。
    • CSRの達成レベルは法令順守がトップ・プライオリティとなった。
      自社のCSRの達成レベルを自己評価した場合に、全体として法令順守が45.4%、法令を超えた企業倫理が35.9%、企業倫理を超えた社会貢献レベルは13.8%にとどまった。
    • 重視するステークホルダーは1位「顧客・消費者」2位「社会」3位「株主」4位「社員」の順となった。
      CSRを実行する上で「最も重要」と考えるステークホルダーをあえて選択した場合、「顧客・消費者」が57.1%、次いで「社会」16.0%、「株主」10.9%、「社員」7.9%という結果であった。
    • CSRの国際的な規格化への態度は賛否両論で拮抗している。ただし66%は態度を決めかねている。
      CSRの国際的な規格化の動きに対する考えを聞いたところ、「賛成」が17.7%、「反対」が13.0%、「どちらとも言えない」66.0%であった。
    • CSRの企業活動の「プロセス」への反映度合いはオペレーション面に比べて人事面への反映度合いが低い。
      企業活動のプロセスを研究開発や事業企画、生産や物流、営業や販売・サービス提供、人事面に分け、それぞれへのCSRの反映度合いを聞いたところ、人事面が最も低く、33.7%にとどまった。
  2. 2.調査概要
    1. (1)調査期間、調査方法:2004年11月下旬~2005年1月上旬にかけて、郵便等により調査票を送付し、回収した。
    2. (2)調査対象:<1>上場・店頭公開(1部、2部上場、マザーズ、JASDAQ) <2>当本部賛助会員 <3>マーケティングソフト研究所評議員企業  それぞれの代表者合計3654件。
    3. (3)有効回答数:368件(回収率10.1%)
  3. 3.添付書類 計17枚(本紙除く)
    本調査結果要旨(10枚) →主たる調査結果をまとめております。
    単純集計データ(7枚) →調査対象のフェース(株式上場、外人株主比率、従業規模など)と設問、回答の単純集計を掲載しております。