組織開発・組織活性化 生産性向上 業務改善

サービスの差別化(CS向上)と効率性を両立するマニュアル更新プロセス実装支援

目的

差別化による顧客満足(CS)向上とコスト効率とを両立するマニュアル更新プロセスの実践を支援します

マニュアルに関する、こんなお悩みはありませんか?

  • 接客や業務などのオペレーションの標準化、教育には多くの投資をしてきたが、顧客満足やリピート率向上など、 期待した成果を得られていない
  • これまで低価格なサービスやコスパの良さを訴求してきたが、コスト上昇により価格を上げることになった。一方で、大手企業もセール等でコスパの良さを訴求しており、 このままでは生き残れない
  • 顧客の個別の要望にきめ細かく対応してきたが、その経験が組織的な資産になっておらず、 ベストプラクティスの横展開ができていない

これらのお悩みは 「より良い標準(当たり前)を定着させ、更新すること」 に関わる共通の課題です。私たちは、科学性を取り入れることで 「分かって、できる」状態 になることを目指しています。そして、差別化につながらない要素を見極めてコスト効率を高めながら、新たな付加価値を企画・実践する 「マニュアルの更新プロセスモデル」 の実装を支援します。

セミナー・研修・コンサルティングなど、目的やご状況に合わせた支援メニューをご用意しています。まずはお気軽にご相談ください。

対象

▶▶▶コラム:価値のある業務マニュアルとは?

サービス産業生産性協議会(SPRING)

1.問題と課題 ~サービスや業務の標準化や品質管理に真面目に取り組んできたものの、期待した成果を得られていない~

課題の背景と現場の声

多店舗または多拠点で展開しているサービス組織にとって、サービスや業務の標準化は重要な経営課題です。標準化は、自社サービスにおける「当たり前」であり、「自社らしさ」でもあります。そのため、他社との差別化を考えるうえでも重要なテーマです。

サービスや業務の標準を規定するために、企業は労力をかけて次のようなツールを作成しています。

  • ✓ 企業理念を浸透させるクレド
  • ✓ 行動指針、標準的サービスを示すガイドライン
  • ✓ 業務手順を定めたマニュアルやチェックリスト

しかしながら、多くの経営者や、サービス・オペレーションの責任者からは、次のような相談が寄せられます。

  • ・「接客や業務などのオペレーションの標準化、教育には多くの投資をしてきたが、顧客満足やリピート率向上など、期待した成果を得られていない」
  • ・「これまで低価格なサービスやコスパの良さを訴求してきたが、コスト上昇により価格を上げることになった。一方で、大手企業もセール等でコスパの良さを訴求しており、このままでは生き残れない」
  • ・「顧客の個別の要望にきめ細かく対応してきたが、その経験が組織的な資産になっておらず、ベストプラクティスの横展開ができていない」

これらは一見すると別々の悩みに見えますが、いずれも 「より良い標準(当たり前)を定着させ、更新すること」 に関わる共通の課題です。

私たちは、「当たり前」をマニュアルやクレドなどで規定すること以上に、 それを更新し続けるプロセスを構築すること が重要だと考えています。つまり、マニュアルを「どのように作成するか」だけでなく、 「どのように運用・活用・更新するか」 へと視点を転換することが重要です。

2.支援の考え方 ~顧客への個別対応とコスト効率の両立による生産性向上理論~

※本節では、私たちが提供する支援の考え方をご紹介しています。専門性が高いため、実務的な内容をご覧になりたい場合は「支援内容」をご参照ください。

要点

  • ・顧客が知覚するサービスの価値は、その場、その時の文脈によって異なります。
  • ・私たちは、顧客の変化を感知し、即興対応によってニーズを捕捉し、有効な対応を新しい標準へと変容させる流れを重視します。
  • ・その結果、顧客ごとの価値や、その瞬間ならではの価値を、属人的な対応に頼らず、多くの従業員が実践できる仕組みとして実現することを目指します。
この支援の考え方の詳細を見る

私たちの支援は、マーケティングと経営学で研究されてきた2つの理論が基盤となっています。

理論的基盤の詳細は、本田(2025)と舩先ほか(2026)を参照ください。

1)サービス・ドミナント・ロジック

要点: 顧客が知覚するサービスの価値は、その場・その時の文脈によって異なるという考え方です。

「サービス」の価値は、顧客によって現象学的に決定されます(Vargo & Lusch, 2008)。

すなわち、顧客が知覚する「サービス」の価値がその場、その時の様々な文脈に依存するため、理論上は100人の顧客には100通りの嗜好・志向があります。

私たちは、一人ひとりの顧客の期待に応えて高い価値を共創することと、利益獲得のためにコスト効率を追求することの両立を目指します。一見、無理のように思えることに取り組むことによってイノベーティブなサービスが生み出せると考えています。

2)ダイナミック・ケイパビリティ

要点: 顧客や環境の変化を捉え、良い対応を新しい標準へとつなげていくための考え方です。

企業が環境の変化に適応する現象はダイナミック・ケイパビリティ(dynamic capabilities)として研究されてきました(Teece, 2007)。

ダイナミック・ケイパビリティの発動プロセス、そのミクロ的基礎としての感知(sensing)、捕捉(seizing)、変容(transforming)をフレームワークとして活用します。

このフレームワークをサービスに応用すると、従業員が顧客の変化を「感知」し、即興対応によってニーズを「捕捉」し、その即興対応の中で有効なものを自社の新しい標準とするために、リソースを「変容」させるという一連の活動として捉えることができます。

顧客ごとの価値や、その瞬間ならではの価値を、属人的な対応に頼って生み出すのではなく、多くの従業員が実践できる仕組みとして実現することを目指します。個別対応とコスト効率という相反することの両立により、生産性向上に貢献します。

顧客ごとの価値や、その瞬間ならではの価値を、 属人的な対応に頼って生み出すのではなく、多くの従業員が実践できる仕組み として実現することを目指します。

参考文献

・本田路子(2025). サービス・ケイパビリティ再考: A2Aパースペクティブで捉えたダイナミック・ケイパビリティのミクロ的基礎における経営資源の活用能力に関する研究アジェンダ. サービソロジー論文誌, 9(2), 1-10.

・舩先康平・菊池隆一郎・土居義典・半田祐樹(2026). マニュアルと従業員の熟達、適応、プロアクティブ行動はどのように相互作用してルーティンの有効性に影響するのか: fsQCAを用いた訪問リハビリサービスの事例研究. サービソロジー論文誌, 10(3), 1-12.

3.支援内容 ~「マニュアルの更新プロセスモデル」の理解と実装を支援~

私たちは、差別化につながらない要素を見極めてコスト効率を高めながら、新たな付加価値を企画・実践する 「マニュアルの更新プロセスモデル」 の理解と実装を支援します。

マニュアルの更新には、以下の3つのパターンがあります。これらを戦略的に使い分けることで、 「個別対応」と「コスト効率」の両立 を目指します。

個別対応とは、ある顧客に対して標準から逸脱してサービスを提供することであり、すなわち即興対応です。

コスト効率とは、サービスや業務プロセス自体を見直してムダを省き、標準を規定することで業務効率を高めることを指します。

パターン1【削減】

陳腐化した要素や非合理な要素を取り除くことによる更新

仕組み化画像①.png

パターン2【復活】

過去に取り除かれた要素のうち、価値を再認識できるものを復活させる

仕組み化画像②.png

パターン3【新標準の横展開】

優れた「イレギュラー対応(即興対応)」を、新たなスタンダード(標準)として組み込む

仕組み化画像③.png

この3つのパターンを「マニュアルの更新プロセスモデル」と捉え、以下の5ステップで、その理解と実装を支援します。

マニュアルの更新は、単なる文書の改訂ではありません。企業の強みと弱み、基本的な戦略、顧客に対するアプローチ、従業員との関係の在り方(人的資本)を再認識することにもつながります。だからこそ、マニュアルそのものだけでなく、 更新プロセスに視点を移すこと が重要です。

業務支援の流れ

業務支援の流れ 支援内容
STEP0
マニュアル活用度合いの簡易評価
  • ✓ アンケート調査により、マニュアルの有用さと従業員の行動特性を簡易的に分析します
  • ✓ 分析結果を踏まえて支援計画を立案します
  • ✓ 分析結果は、経営課題や成果の可視化にも活用できます
STEP1
マニュアルに課された役割・成果の再確認
  • ✓ マニュアルが担う役割を再確認し、売上や単価の維持・向上との関係を整理します
  • ✓ 削除してはいけない価値や、理念に近い要素を一般的なマニュアルと区別して整理します
STEP2
マニュアル実行~成果までの道筋の想定
  • ✓ マニュアルによって担保される要素が、どのような成果をもたらすのかを仮説として構築します
  • ✓ 成果を計測するKPIを設定します
STEP3
マニュアル更新プロセスモデルの理解
  • ✓ 更新パターンの理解を深めます
  • ✓ 顧客の反応やイレギュラー(即興)対応の内容を共有します
  • ✓ 更新パターンの選択、即興レパートリーの整理、新スタンダード化の判断基準を検討します
STEP4
実装と検証
  • ✓ 更新されたマニュアルによる成果をKPIで観測します
  • ✓ 複数年度にわたり継続的に検証します
  • ✓ 必要に応じて、STEP2で設定した仮説やKPIを修正します

4. プログラムの開発ストーリー

無印良品は、MUJIGRAMと呼ばれるマニュアルを策定し、 マニュアルの運用・更新プロセスを大切にしていた我が国の好事例です(入山, 2019)。 2015年に日本生産性本部が無印良品の松井元会長にインタビューを行った当時、同社はMUJIGRAMの改善プロセスを重視しており、 店舗から業務改善提案が年間2万件届き、 MUJIGRAMの12%程度を更新していると話していました。

日本生産性本部は、無印良品から学び、様々な企業でも マニュアルの作成、更新プロセスを実践できるように 業務仕組み化プログラム を開発しました。

サービスの差別化(CS向上)と効率性を両立するマニュアル更新プロセス実装支援は、 業務仕組み化プログラムの研究を通じて得た知識(e.g., 舩先ほか, 2026)と サービスサイエンスの知識(e.g., 本田, 2025)を組み合わせることで開発されました。 また、開発する過程で、我が国の革新的サービス事例から学びました。以下は参照した事例です。

参照事例

株式会社スーパーホテル

『自律型感動人間』の育成と、 現場の気づきを全国の『仕組み』に変えることで成長してきました。 感動はマニュアル化できないと諦めるのではなく、 現場の即興を拾い上げ、絶えず標準を更新し続ける好事例です。 第1回日本サービス大賞 優秀賞を受賞する革新的サービスです。

▶ 事例ページを見る

5.担当する専門家

本田路子プロフィール写真

本田 路子

京都大学博士(経営科学)
国際観光ホスピタリティ総研株式会社 副社長執行役員

1979年、鹿児島市生まれ。鹿児島大学法文学部卒業、京都大学大学院博士後期課程修了(経営科学博士)。

高級リゾートホテル「ザ・ウィンザーホテル洞爺」にて、マーケティング、人材育成部門、国内外レストラン契約を担当。2013年よりPGHエンタープライズ株式会社執行役員に就任(兼任)。

現在は、国内外のホテル運営支援およびホスピタリティ産業における人材育成に携わっています。

6.参考文献

  1. ・入山章栄. (2019). 世界標準の経営理論. ダイヤモンド社.
  2. ・本田路子 (2025). サービス・ケイパビリティ再考: A2A パースペクティブで捉えたダイナミック・ケイパビリティのミクロ的基礎における経営資源の活用能力に関する研究アジェンダ. サービソロジー論文誌, 9(2), 1-10.
  3. ・舩先康平・菊池隆一郎・土居義典・半田祐樹 (2026). マニュアルと従業員の熟達,適応,プロアクティブ行動はどのように相互作用してルーティンの有効性に影響するのか: fsQCAを用いた訪問リハビリサービスの事例研究. サービソロジー論文誌, 10(3), 1-12.
  4. ・Teece, D. J. (2007). Explicating dynamic capabilities: the nature and microfoundations of (sustainable) enterprise performance. Strategic management journal, 28(13), 1319-1350.
  5. ・Vargo, S. L., & Lusch, R. F. (2008). Service-dominant logic: continuing the evolution. Journal of the Academy of marketing Science, 36(1), 1-10.
お問い合わせ先

公益財団法人日本生産性本部 サービス産業生産性協議会 事務局
(担当:舩先、漆原

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