第15回 人づくりに対する熱意―新入社員総合講習会・新社会人研修村
連載「JPC 70th クロニクル」⑮ 人づくりに対する熱意
潜在的な成長力
日本生産性本部は1958年4月、初の大卒向けの新入社員総合講習会を都内で開催した(1200人参加)。高卒向けの同講習会も64年にスタート。いずれも年々参加者が増え、65年には大卒向け、高卒向け合わせて9225人に達し、会場(日比谷公会堂や厚生年金会館など)はいずれも満席の盛況だった。
「構造不況の声とは裏腹に、日本企業の潜在的な成長力と、人づくりに対する熱意が、このような数字に表れたと言えるであろう。」(『生産性運動50年史』)
「働くことの意識調査」発表
68年には日本経済青年協議会との共催で新社会人研修村を開設した。会場は東京・代々木の国立オリンピック記念青少年総合センター。毎年3月から4月にかけての2カ月間、組織人として身につけておくべきルールやマナーを学び、個別企業による研修プログラムに加え、新社会人同士の情報交換・経験交流などを実施。
さらに各界の著名人や専門家、実務家を招いての夜間プログラムサービスも行われ、新入社員に対する人材教育の一役を担った。
日本生産性本部の新入社員研修プログラムは今日、25万人超の教育実績を持つ日本最大規模のものとなっている。
69年からは研修参加者を対象に、仕事に対する意識、考え方や生きがい、価値観の変化などについてアンケート調査を実施。その結果は、「働くことの意識調査」として発表されている。
この種の調査ではわが国で最も歴史を有するものとなっており、新入社員の意識と行動に関する変化を時系列的に分析できる貴重な調査として研究者などに活用されている。さらには当該年度別の新入社員タイプの命名も手がけ、マスコミなどから注目された(1973年~2017年)。(文中・敬称略)
【参考文献】『生産性運動50年史』(社会経済生産性本部、2005年)
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