第23回 「公害防除」に国民運動展開―社会経済国民会議<1>

連載「JPC 70th クロニクル」㉓ 「公害防除」に国民運動展開

焦眉の課題

社会経済国民会議年次総会。「新しい経済成長とよりよき環境」がテーマ(1975年11月1日)

日本生産性本部は71年3月26日の全国生産性大会で、「産業公害と生産性運動に関する宣言」を発表した。「労使協議制」を強化しながら、「公害防除」のための国民運動を活発に展開していくことを呼び掛けたものだ。
同大会に先立つ3月20日、日本生産性本部の社会環境委員会は『産業公害と生産性運動』と題する中間報告書を作成。「公害防除への各界の役割」「公害防除への労使協議」「防除費用の負担」「防除技術の開発」及び「国民運動の推進」を内容とするもので、これが「宣言」の基礎をなした。宣言では、「全国的啓蒙運動の推進」を次のように提唱している。
「関係各方面を糾合した幅広い啓蒙運動を展開することも、焦眉の課題である。」

新たな人間環境への挑戦

同時に、この宣言の基になったのは、71年版『労使関係白書』だった。白書の要諦は「提言:人間環境の創造と労使の課題」であり、そのポイントは〝新たな人間環境への挑戦〟。白書は「これからの課題と具体的提案」の結論部分として次のように記す。
「生産性本部は、企業別、産業別の労使協議制の成果を踏まえて、ナショナル・センターの労使および政府を加えての国民経済政策会議(仮称)の設置を提唱しその実現のための活動をすすめていく所存である。」
72年10月24日、日本生産性本部は臨時理事会を開催。その席上、会長・郷司浩平から、「環境問題国民会議」という機構を設立して、生産性運動の立場から環境問題についての「国民運動」を強力に推進していくべきだ、との意見が出された。
郷司は「環境問題産業会議が技術的な面から公害防止に前向きに取り組むのに対して、国民運動は啓発教育が主体であり、混乱した公害問題を、その正しい対処について国民的合意を得ながら、前向きに取り組みたい」と説明。この「郷司構想」は73年度に入ると着々と歩を進め、同年9月の創立世話人会で設立趣意書が発表され、同年11月12日には「社会経済国民会議」の設立総会が開かれた。(文中・敬称略)

【参考文献】『生産性運動50年史』(社会経済生産性本部、2005年)

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