第25回 年次総会と全国研究会議―社会経済国民会議<3>
連載「JPC 70th クロニクル」㉕ 年次総会と全国研究会議
多様な代表者がメッセージ
社会経済国民会議は設立当初から、問題別に特別委員会を設置。専門家をはじめ各界、各層からの参加を得て議論を尽くし、調査研究を進め、その成果である提言や報告書を政府などに提起し、世論に訴えた。
委員会の報告書や提言は、その年の年次総会で報告・発表され、総会決議にも反映された。年次総会では事業計画や予算の審議はもとより、各委員会の報告や記念講演があり決議で締めくくるのが通例。さらに、国民の総意を結集する場であるかのように各界、各層の代表者が次々と登壇し、意見を述べた。
たとえば設立5周年を迎えた78年の年次総会。総理大臣・福田赳夫、大蔵大臣・村山達夫、労働大臣・藤井勝志、日商会頭・永野重雄、同盟会長・天池清次、中立労連議長・堅山利文ら多様な代表者が演壇からメッセージを投げかけた。
6特別委員会体制
年次総会とともに全国大会として位置づけられたのが「全国研究会議」だ。第1回全国研究会議は75年8月、「新しい成長と社会づくりを目指して」をテーマに2日間にわたって開催。議長・中山伊知郎の基調講演に続いて、福祉政策、経済政策、社会環境、参加、エネルギーの5つの分科会で討議が行われた。これらを受けて、慶應義塾大学教授・加藤寛が「これまでのような高度成長は今後期待できないことを理解し、減速成長の中で豊かな生活を目指すためには、福祉などの財源の負担・確保、制度の工夫、国民の合意形成が必要であり、何よりも国民一人ひとりが知恵を出し合うことが大切である」と締めくくった。
3つの特別委員会も活動を開始。社会環境問題特別委員会は国民会議発足約1カ月後の73年12月18日、「蓄積公害に対する抜本的対策に関する提言」を発表。次いで、インフレおよび資源問題特別委員会が74年1月15日、「インフレ克服の緊急対策に関する提言」、福祉政策問題特別委員会が同年4月10日、「インフレ下の福祉と公正に関する4つの提言」をそれぞれ発表した。
75年からはエネルギー開発促進委員会、参加問題特別委員会、交通政策問題特別委員会が動き出し、6つの特別委員会の体制が整った。特別委員会の報告書や提言は強い影響力を発揮。その多くが政府の政策として取り上げられ、実行に移されていくことになった。(文中・敬称略)
【参考文献】『生産性運動50年史』(社会経済生産性本部、2005年)
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