第24回 「五原則」を制定―社会経済国民会議<2>

連載「JPC 70th クロニクル」㉔ 「五原則」を制定

人類世紀の大事業

73年11月12日に設立総会が開かれた「社会経済国民会議」の初代議長は一橋大学名誉教授・中山伊知郎。副議長は全金同盟組合長・天池清次、東京大学名誉教授・大河内一男、日本生産性本部会長・郷司浩平、東京芝浦電気取締役会長・土光敏夫という布陣だった。その後、議長は中山伊知郎から大河内一男(2代)、東京大学名誉教授・有澤廣巳(3代)といずれも当代最高峰の学界重鎮が就任した。
設立総会では、「今日、わが国が当面している最大の国民的課題は、福祉社会の実現であり、それは人類世紀の大事業でもある」で始まる設立宣言を採択。労・使、学識経験者、そして消費者、地域住民等各界の代表をもって構成する国民会議において「問題解決と活力ある福祉社会の実現をめざす」とした。
あいさつに立った中山は「強調したいことは、今日のいろいろな問題は、国民会議といった場で取り上げなければ解決のつかないことが非常に多くなったことである」と指摘。出席した総理大臣・田中角栄は国民会議が発足した意義を高く評価し、期待を述べた。
設立総会では73年度の事業計画を決定。①福祉政策問題、②社会環境問題、③インフレおよび資源問題――の3つについて専門家による特別委員会を設置し、調査研究活動を開始することにした。

〝民間国会〟的方法

国民会議は各界、各層を巻き込んでの運動であり、それを効果的に発揮するには合意形成が重要だった。そのため当初から、〝民間国会〟的方法とも言うべき各界代表による委員会をテーマ別に構成し、議論を尽くした。21世紀になり、民間人を加えた経済財政諮問会議や国民会議のような政府機構の活動があるが、その先行モデルであったとも言えよう。
国民会議では委員会方式で会議を積み重ね相次いで提言を発出。全国各地でフォーラムやシンポジウムを開いて国民を巻き込んだ公開討論を展開し、提言内容の周知や普及活動を積極的に行った。
国民会議は設立3年後の76年12月20日、社団法人の認可を得た。それに先立つ同年10月の年次総会で「社会経済国民会議五原則」を制定した。この五原則を設けること自体に国民的な合意形成を模索する国民会議の面目が如実に現れている。
①参加と合意の原則
②効率と公正の原則
③自由と連帯の原則
④権利と責任の原則
⑤生活の質向上の原則
(文中・敬称略)

【参考文献】『生産性運動50年史』(社会経済生産性本部、2005年)

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