第28回 「第1回メンタル・ヘルス大会」開催―「心の健康」を調査研究

連載「JPC 70th クロニクル」㉘ 「第1回メンタル・ヘルス大会」開催

基本的視点を転換

「第1回メンタル・ヘルス大会」は1979年5月23、24の両日、都内の東京商工会議所ビルで開催された。

時代は1970年代に遡る。
73年のオイルショックで、わが国は物不足や狂乱物価、環境悪化など高度経済成長の歪みが噴出。74年には戦後初めてマイナス成長を経験した。こうした中、日本生産性本部は75年2月28日、創立20周年記念大会を開催した。
記念大会では、「新しい成長を求めて」と題した「生産性運動20周年宣言」と「新時代の生産性綱領」を発表。宣言では、「有限な地球は、環境と資源の両面から経済活動に厳しい制約を課する」とし、日本経済の「量的拡大主義から質的充実主義への移行は必至の道程」と指摘。生産性運動も「単なる量的生産性の増大から、自由と公正に基づく質的生産性の向上へ」と基本的視点を転ずるとした。

JMI健康調査票を開発

当時、体の健康管理は実施されていたものの、「心の健康」については未着手だった。日本生産性本部はこのような状況を打破するため、77年2月、「メンタル・ヘルス調査研究会」を設置して研究を開始した。
78年4月には、「メンタル・ヘルス研究委員会」(委員長=筑波大学教授・内山喜久雄)を設置。産業界(産業医、人事担当)や精神医学、心身医学、生理学、心理学、経営学などの専門家の協力を得て、JMI(Japan Mental Health Inventory)健康調査票の構想がまとまり、具体的な開発に着手した(職場、身体、精神、性格の4領域・596項目の質問項目からなる「JMⅠ健康調査」は80年に完成)。
79年5月23、24の両日には、都内で「第1回メンタル・ヘルス大会」を開催した(読売新聞社後援)。大会には企業や労組の関係者を中心に約250人が参加。産業人の心の健康問題について正しい理解と共通認識を得ることがねらいだった。
大会では、日本医師会会長・武見太郎が「現代人と医学」と題して記念講演。武見は「職域では産業医学なしでメンタル・ヘルスは考えられない。産業医学との連結が必要である」と話した。(文中・敬称略)

【参考文献】『生産性運動50年史』(社会経済生産性本部、2005年)

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