第29回 加速する国際展開―第1回生産性国際シンポ開催

連載「JPC 70th クロニクル」㉙ 加速する国際展開

〝ローマ宣言〟の精神で

「第1回生産性国際シンポジウム」で特別講演を行う松下電器産業相談役・松下幸之助(1983年5月)。

1980年代、生産性運動の国際展開は具体的な形で実を結んでいく。
1983年5月10~12日、都内のホテルで「第1回国際生産性シンポジウム(IPS)」が開催された。テーマは「生産性向上による世界経済活性化への道を求めて」。IPSは、世界経済の再活性化を生産性の向上に求めたOECD工業化委員会での議論を受けて、日本政府が開催を決め、その実施を日本生産性本部に委託したもの。欧米各国・アジア各国など28カ国481人の海外参加があり、国内541人と合わせて計1022人が参加した。
開会式で本部会長・郷司浩平は、「低迷する国際経済の困難や矛盾を克服するのは、研究開発の振興や科学的経営管理とともに、〝ローマ宣言〟の精神に則った人間尊重と参加を採り入れた生産性運動の国際的復興、とりわけ先進国のそれにあると確信している」とあいさつした。

「京都宣言」を採択

本部の83年度『事業報告書』は「本シンポジウムは、生産性運動に歴史的な記録を残すイベントとなった」とその意義を高く評価した。第2回IPSは86年10月に西ドイツで、第3回は88年4月に米国でそれぞれ開催。そして第4回は90年10月、再び日本の京都で「国際協力と生産性――相互理解のために」をテーマに開催された。
最終日には「地球社会化時代における生産性向上についての5つの主張」(「5つの主張」は▽人間尊重▽労使協力▽社会の理解▽国際協力▽未来への協力)を提案する「京都宣言」を採択した。
83年からは、JICAの要請を受けてシンガポール生産性向上プロジェクトを推進。87年からは、発展途上国への技術協力派遣プロジェクトを推進した。
さらに、ボツワナ共和国からの視察団受け入れ(91年9月)、中米域内産業技術育成センターの支援(92年9月から5カ年計画)、東欧やソ連との生産性協力、中国との生産性交流、韓国との協力・支援など世界各国との連携が進んでいった。(文中・敬称略)

【参考文献】『生産性運動50年史』(社会経済生産性本部、2005年)

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