第31回 顧客価値を中心とする経営実現―「日本経営品質賞」創設
連載「JPC 70th クロニクル」㉛ 顧客価値を中心とする経営実現
米国「MB賞」創設
米国では1988年、徹底した顧客重視、品質重視を基本とする「マルコム・ボルドリッジ賞(MB賞)」を創設。レーガン政権下で国際競争力の向上を目的とし、当時の商務長官の名を冠した同賞は、米国企業の経営革新に大運動を巻き起こした。
同賞は、顧客が満足するクオリティの改善を全社レベルで創造的かつ継続的に行い、その実施の度合いを評価。優れた経営システムを持つ企業に対し米国大統領が毎年、製造業部門・サービス業部門・中小企業部門から最多6社に賞を与えるものだった。
社会経済国民会議内に93年、今後のCS(カスタマー・サティスファクション)経営のあり方について先進的に取り組む有力企業幹部20人による「CS経営総合会議」が発足し、MB賞を研究。同会議は「わが国でも顧客価値を中心とする経営の実現に向けた推進組織が必要」との結論を出した。
非営利組織・自治体でも活用
94年5月には産業界に広く呼びかけ「CSフォーラム21」を設置。情報や電機、自動車、サービスなど約150組織が参加し、日本版MB賞の評価基準づくりに向けて活動し、95年12月、「日本経営品質賞」の創設と審査基準を発表した。
同賞の運営をサポートし、普及・啓発を行う機関として、CSフォーラム21を発展的に解消し、96年5月、「経営品質協議会」を設立。発起人にはリコーやキヤノン、ソニー、キリンビールなど日本の主要企業15社のトップが名を連ねた。
日本経営品質賞委員会は97年1月、第1回(96年度)「日本経営品質賞」大規模製造部門の受賞企業を発表。NEC半導体事業グループが受賞した。
その後、経営品質活動は、各地域での経営品質協議会創設、地域経営品質賞創設へと浸透。また、経営品質の考え方は非営利組織や業績にとらわれない組織にも取り入れられる仕組みであり、自治体における行政経営改革への活用、医療・介護・福祉業界における活動の推進などにも広がっていった。(文中・敬称略)
【参考文献】『生産性運動50年史』(社会経済生産性本部、2005年)
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