第32回 政権選択の意義とマニュフェスト―民間政治臨調
連載「JPC 70th クロニクル」㉜ 政権選択の意義とマニュフェスト
地方分権を推進
政治改革関連法案は1994年3月4日、参議院本会議で可決成立。また、同年11月21日、小選挙区制の区割り法案、連座制の大幅強化を目的とした公職選挙法改正案、政党等に対する法人格付与法案の3法案が可決成立し、12月25日には小選挙区比例代表並立制が施行された。
政治改革関連法の成立後の民間政治臨調は、中選挙区制への回帰を求める政治の動きを監視・牽制しつつ、地方分権の推進に取り組んだ。自民党政治改革大綱(89年5月)以来、小選挙区制の導入は地方分権改革とセットで進められることが前提だったからだ。
民間政治臨調は95年2月11日、「地方分権基本法の制定に関する緊急提言」を公表。その後、地方分権推進法に基づく地方分権推進委員会が発足し、5次にわたる勧告が行われる過程では、「地方分権改革と行財政改革の今後のあり方に関する緊急提言」を公表(97年6月14日)するなど、同委員会を側面支援する活動に専念した。
地方分権推進委員会による一連の勧告は、第1次地方分権推進計画の策定を経て99年7月、地方分権推進一括法成立に結実した(同法は2000年4月1日施行)。
矢継ぎ早に提言
95年は1月に阪神・淡路大震災、3月に地下鉄サリン事件が発生した。民間政治臨調は6月9日、「政治の現状を憂うるすべての国民と政治家へ」と題するメッセージを公表。「日本政治の志を失った精神的荒廃の凄まじさに唖然とせざるを得ない」と警鐘を鳴らし、政党、政治家に対し、政治の意思決定システム全体の改革を進めるとともに、早急に新制度による総選挙の実施を求めるものだった。
小選挙区比例代表並立制による初の総選挙を目前にした96年10月1日には、「総選挙に向けての緊急アピール」を公表。日本政治において、おそらく初めて総選挙における政権選択の意義とマニフェスト(政権公約)の基本的なコンセプトを明確に提起した。
その後も民間政治臨調は、「新制度の検証と当面の緊急改革課題」(97年5月4日)、「構造改革を担う新しい政党と政治のあり方」(同年5月31日)、「現下の危機に対する緊急提言」(98年8月13日)、「中選挙区制復活論議に対する緊急声明」(99年3月16日)など矢継ぎ早に提言を重ねていった。
【参考文献】『生産性運動50年史』(社会経済生産性本部、2005年)/『平成デモクラシー』(講談社、2013年)
お問い合わせ先
公益財団法人日本生産性本部 広報戦略室(新聞グループ)
WEBからのお問い合わせ