第36回 政権公約競い合う憲政史上初の総選挙を―21世紀臨調<4>

連載「JPC 70th クロニクル」㊱ 政権公約競い合う憲政史上初の総選挙を

日本初マニフェスト

21世紀臨調「新発足総会」に先立つ2003年1月26日。三重県四日市市で開催されたシンポジウム(三重県主催)で、三重県知事・北川正恭が4月の統一地方選挙に向けてマニフェスト導入を提唱した。
パネリストの1人だった岩手県知事・増田寬也は「時期、数量、財源をしっかり明示し責任あるかたちでマニフェストを出したい」と即答。2月27日、日本初のマニフェストを公表し、4月の知事選で3選を果たした。増田マニフェストは「公共事業を30%削減し、200億円の一般財源を生み出す」という、いわゆる〝苦い薬〟を盛り込んだものだった。
茂木友三郎は経済同友会政治委員長だった2002年に英国、ベルギー、米国の3カ国に視察団を派遣。視察結果をもとに同年10月、『首相のリーダーシップの確立と政策本位の政治の実現を求めて』と題する報告書を公表し、マニフェストの必要性に言及した。
佐々木毅と西尾勝は2003年2月14日、「マニフェスト研究会」を設置。臨調活動に参画してきた学識者やジャーナリスト17人とともに欧米諸国の事例について比較研究を行い、日本に導入するに当たっての理論的な検討と論点整理を進めていた。
4人の共同代表は、「新発足」以前からそれぞれの立場でマニフェストの必要性を痛感していた。

「政権公約」と邦訳

21世紀臨調は2003年7月7日、「政権公約(マニフェスト)に関する緊急提言~新政治改革宣言・政党の立て直しと政治主導体制の確立~」を公表。①小選挙区制を生かすためにも、政権公約の導入を突破口にこれまで進められてきた一連の政治改革を再構築する、②次の総選挙を政権の掌握を目指す政党同士が「首相候補」「政権枠組み」「政権公約」を示し、有権者に「政権の選択」を迫る初めての本格的な政権選択選挙とする、③そのためにも秋の自民党総裁選挙では、各候補者は総裁マニフェストを作成し、勝利した候補者のマニフェストに基づいて次の総選挙における自民党の政権公約が作成されるべき――ことを提言した。
この提言で、政権掌握を目指す政党が作成するマニフェストを「政権公約」と邦訳することを正式に提唱。次期総選挙を「政権公約を競い合う憲政史上初めての総選挙」とすることを各党に求めた。(文中・敬称略)

【参考文献】『生産性運動50年史』(社会経済生産性本部、2005年)/『マニフェスト革命』(ぎょうせい、2006年)

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