第39回 陰・日向に司法改革の展開支える―21世紀臨調<7>

連載「JPC 70th クロニクル」㊴ 陰・日向に司法改革の展開支える

24本の法律案成立

21世紀臨調は、民間司法臨調を発展的に改組し、「司法改革国民会議」(JURIS)を立ち上げた(2002年4月29日)

1999年7月に設置された司法制度改革審議会は2001年6月、内閣に意見書を提出した。
その後の11年余を振り返り、審議会会長を務めた京都大学名誉教授・佐藤幸治は、<21世紀臨調から派生した「民間司法臨調」、「司法改革国民会議」そして、「『国民の司法』を育てる300人委員会」が司法改革に陰になり日向になってかかわり、その展開を支えた役割の大きさに改めて印象づけられる>と評している(『平成デモクラシー』第6章、一部略)。
内閣は審議会の意見書を受け、3年以内をめどに関連法案の成立をめざす旨の閣議決定を行い、01年12月に首相を本部長とする司法制度改革推進本部を設置。02年3月には司法制度改革推進計画を閣議決定。同本部において関連法案の立案作業を行い、04年12月までに24本の法律案を成立させた。04年に法科大学院が開校し、09年5月には裁判員法が施行された。

司法は「基盤的なインフラ」

00年4月に発足した民間司法臨調の会長には、社会経済生産性本部会長・亀井正夫が就任。東京大学教授・伊藤眞、東京大学教授・佐々木毅、慶應義塾大学教授・島田晴雄の3人が主査を務め、趣意書では「21世紀の日本の国益と国民生活を構想する上で、司法はもっとも重要かつ基盤的なインフラである」と断言した。
民間司法臨調は00年9月20日、第1次提言「責任ある司法制度改革の手順と道筋」を公表。また、与野党の国会議員に働きかけ、12月13日、超党派による司法改革推進議員懇談会を発足させた。懇談会の会長には保岡興治が就任。与野党から34人の国会議員が活動に参加した。
同臨調は01年5月4日、「審議会最終意見にむけて各界が問い直すべき事項」を公表。意見書を受け取る政府に対し責任ある実行体制の構築を求めた。

「血の通う司法」の実現を

21世紀臨調は02年4月29日、民間司法臨調を発展的に改組し、司法制度改革推進本部の立法活動を支援する目的で「司法改革国民会議」(JURIS)を立ち上げた。会長には電通総研研究所長・福川伸次、事務局長には早稲田大学教授・須網隆夫が就任。JURISは11月11日、運営委員会名で「『血の通う司法』を実現するための第1回提言~司法の体質を変える構造改革を~」を公表した。
提言では、首相・小泉純一郎の「裁判の結果が出るまでの期間は2年以内に」という発言を支持。これを突破口に裁判の仕組みの改革につなげるべきだとして▽裁判迅速化法の制定▽民事裁判における計画審理の確立▽刑事裁判における精密司法からの脱却▽判決書の抜本的簡素化▽弁護士任官の推進――などを求めた。
取り沙汰されていた「裁判官3人、裁判員2人」では審議会意見書の趣旨に反するとして、「裁判官1人、裁判員11人」の裁判員制度の実現を求めた。さらに、法科大学院を中核とする法曹養成を早急に軌道に乗せる必要があるとして、司法試験合格者は年間3000人以上をめざすことも求めた。提言は同日、首相に手渡された。

不可分の関係

その後、改革を支える活動の場は、06年6月24日に発足した「『国民の司法』を育てる300人委員会」へと引き継がれた。同委員会は、さまざまな立場の人々をつなぐネットワーク組織として司法制度改革の行方を見守り続けた。
21世紀臨調が司法制度改革にこだわり続けてきたのは、同改革が統治構造改革の到達点に位置し、21世紀臨調が進めてきた諸々の政治改革とは表裏一体、不可分の関係にあるとの認識によるものであった。
裁判員制度と小選挙区制とは、国民に統治主体としての意識改革を促す意味において同じ政治改革の文脈の中にあった。また、政治主導体制の確立は政治・行政に対する司法のチェック機能の充実・強化を予定するものであり、法曹の飛躍的拡大は、政府・政党や社会のさまざまな分野で活躍する法曹を育て、供給することを意味した。(文中・敬称略)

【参考文献】『平成デモクラシー』(講談社、2013年)

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