AIがもたらす人事の未来 今井翔太・北陸先端科学技術大学院大学客員教授(GenesisAI代表取締役社長CEO)
日本生産性本部は2025年12月10日、第100期「人事部長クラブ」の12月例会を都内で開催した。当日は「AIがもたらす人事の未来」をテーマに、今井翔太・北陸先端科学技術大学院大学客員教授(GenesisAI代表取締役社長CEO)が講演した。
新しい仕組み構築を
(GenesisAI代表取締役社長CEO)
今井氏は、AI研究者の思考やAIの進化に関する考え方の原理原則に触れたうえで、現在の生成AIの動向について、2024年以降、生成AIを核にして、外部のツールを使いながら複雑な作業を行う「AIエージェント」と呼ばれる手法が盛んに研究されていると指摘。生成AI以降は「高学歴で高いスキルを身につけている者が就くような賃金が高い仕事であるほどコンピュータ/AIによる自動化の影響を受ける可能性が高い」と述べた。また、生成AIの登場により、全職種の8割が何らかの影響を受け、さらにその中の2割は仕事の半分以上が置き換えられる可能性があることや、クリエイティブ系は「人間の作業であること」に価値を見出す実験結果が出ており、むしろ人間の作業による価値が高まる余地があることなどを指摘した。
さらに、現在のAI技術の発展スピードは、AI研究者自身ですら予想できない段階に入っており、今後数年程度で、人間の知的行動が全て可能な汎用人工知能が実現すると考えられることや、AIエージェントの発展が進み、今後数年以内に、人間が本来数カ月かけてやっていた作業を全てこなすことができると期待されることを説明。肉体労働が可能なロボティクス、現実世界をコンピュータでシミュレートできる世界モデル(現実政界の構造に関するデータを予測・生成することができるモデル)技術の研究も進んでおり、今後はAIの生産活動のための環境整備とともに、労働状況の変化を踏まえた資本主義等の根本的な社会制度の変革が必要になると話した。
AI時代の人事・人の評価
AI時代の人事・人の評価については、今までは、能力や熱意を、提出物や過去の作品からある程度評価でき、新人をライトな業務(議事録作成、翻訳、調査など)に割り当てて、仕事をしながら育成しつつ、エキスパートまで持っていくことができたが、これからは、生成AIがぱっと見良さそうなコンテンツをすぐに生成するため、提出物や作品から人を評価しにくくなり、ライトな業務は全てAIがやってしまうため、仕事をさせながら新人を育成することは成り立たない可能性があると述べた。 そうした時代においては、AIネイティブ力×AIを使わない素の能力の掛け算で人を評価することや、忍耐力、泥臭さ、コミュニケーション力、愛嬌などのわかりにくい能力も重視すること、新人をエキスパートに育てる新しい仕組みを構築することなどが求められると強調した。
第100期「人事部長クラブ」は、「次世代を切り拓く人事の挑戦」を統一テーマに2026年1月まで開催。
対象は、人事・労務、総務、人材、経営企画等のエグゼクティブ。
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