第9回 共有テーマの研究・討議・学習に専念―セミナー開催

連載「JPC 70th クロニクル」⑨ 共有テーマの研究・討議・学習に専念

外国人講師によるセミナー

長野・軽井沢で開催された「第1回軽井沢トップ・マネジメント・セミナー」(1958 年8月11日、軽井沢・晴山ホテル)。

海外視察団の派遣とともに1955年から、外国人講師を招きトップマネジメント・セミナーが開催された。皮切りは同年6月に来日した5人の講師団で、東京、名古屋、大阪、福岡の4会場でそれぞれ3日間開催。セミナーは4部門(経営管理・市場部門・労務部門・製造部門)に分けて、参加者の質問事項をコーディネーターが整理、講師が答える方式がとられた。
対象は各界のトップマネジメント。参加者数は4会場で計389人。アメリカからの講師招聘によるセミナーは1959年度まで5年間にわたって行われた。

セミナー形式は「想像外」

外国人講師によるセミナーに続き、日本生産性本部は1958年8月11日から16日までの6日間、日本人講師によるトップマネジメント対象のセミナーを長野・軽井沢で開催。「第1回軽井沢トップ・マネジメント・セミナー」と名づけられたセミナーには129人が参加した。
第1回の主な講師と演題は次の通り。
「経営管理」(芝浦製作所専務・西野嘉一郎)、「インダストリアル・リレーションズ」(日本光学工業専務・乗富丈夫)、「インダストリアル・エンジニアリング」(日本建鉄社長・加藤威夫)、「日本経済の現状を分析して」(国民経済研究協会理事長・稲葉秀三)、「アメリカ経済の調査報告より」(東京大学教授・脇村義太郎)、「わが国における国家財政の諸問題」(一橋大学学長・井藤半弥)
第1回の状況を『軽井沢トップ・セミナーのあゆみ』(75年7月)は次のように伝える。
「当時としてはセミナー形式は、わが国ではほとんど知られていない教育方式であった。ことに経営の最高層にある人たちが、一週間近くも社務を離れて、一ヶ所で寝食を共にし、共有のテーマの研究・討議・学習に専念するなどということは想像外のことであった。」
その後、セミナーは「軽井沢セミナー」の名で定着。第68回を迎える今年のセミナーは7月9~10日に開催予定だ。(文中・敬称略)

【参考文献】『生産性運動50年史』(社会経済生産性本部、2005年)

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