調査・研究生産性レポート

生産性レポート Vol.9 「顧客満足度の経済的含意」

2018年7月30日
公益財団法人 日本生産性本部

公益財団法人 日本生産性本部は、同本部が事務局を行うサービス産業生産性協議会が実施する日本版顧客満足度指数(JCSI)対象企業の顧客満足度と労働生産性との関係性の分析を初めて実施しました。
日本生産性本部では、我が国のサービス産業の生産性水準が低い状況であることに着目し、生産性向上要因として付加価値拡大に向けた各種研究を進めています。そうした活動の一環として、「顧客満足度」の向上も付加価値拡大を通じた生産性向上に重要な役割を果たしうることから、宮川努・学習院大学教授を研究代表として今回の研究を行いました。
その結果、労働生産性が高い企業群では、顧客満足度が高い企業ほど労働生産性も高くなるという結果が得られました。業種別にみると、運輸業や飲食サービス、小売業で特にこうした傾向がみられます。
同本部では、顧客満足度を含め、生産性向上の要因の調査研究を今後も進めていく予定です。

  1. 1.労働生産性が高い企業群では、顧客満足度が高いと労働生産性も高くなる傾向
    • 顧客満足度と労働生産性の間には、特に労働生産性が高い企業群で顧客満足度が高いほど生産性も高くなる傾向が見られた。全ての企業にあてはまるわけではないものの、特定の企業群では、高い顧客満足度が労働生産性に有効に寄与している。
  2. 2.顧客満足度が高いと労働生産性も高くなる傾向にあるのは、運輸業や飲食サービス、小売業
    • 業種別にみると、顧客満足度が高いほど労働生産性も高くなる傾向は、運輸業と飲食サービス業、小売業の労働生産性が高い企業群で見られる。
    • また、運輸業や飲食サービスをみると、労働生産性が中程度以下の企業群では、高い顧客満足度を得ている企業が散見されることから、必ずしも高い顧客満足度が生産性の高さに結びついているわけではない。
    • 一方、宿泊業をみると、顧客満足度が高いと労働生産性が高くなっているのは、労働生産性が中程度までの企業群となっており、業種によっても顧客満足度と労働生産性の傾向には違いがみられる。

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